テストベクタ(テストパターン)とは

Test Vector / Test Pattern

最終更新:2026-09-21半導体テスト装置ロジックテストシステム

テストベクタ(テストパターン)とは?

テストベクタ(テストパターン)とは、チップの各入力ピンに与える値と各出力ピンの期待値をクロックの1サイクルごとに並べたデータで、ATEはこれに従って入力を与え、出力が期待値と一致するかで良否を判定します。シミュレーション由来の機能パターンと、ATPGで故障カバレッジを保証する構造テストパターンがあり、現在のロジックLSIでは後者が主流です。

定義・解説

テストベクタ(テストパターン)とは、半導体チップの機能試験で、各入力ピンに与える信号の値と、各出力ピンから返ってくるべき期待値を、クロックの1サイクルごとに並べたデータの列です。ATE(自動テスト装置)はこのデータに従って1サイクルずつ入力を与え、出力を期待値と比較し、1つでも一致しなければそのチップを不良と判定します。テストプログラムの中核となるデータです。

テストベクタの作り方は大きく2つあります。(1)機能パターン:設計の検証で使ったシミュレーションの入出力を記録し、テスタ用に変換したもの。実際の動作に近い条件で試験できますが、故障をどれだけ検出できるかは保証されません。(2)構造テストパターン:ATPG(自動テストパターン生成)ツールがスキャンチェーンを使う前提で生成するもので、縮退故障や遷移故障などの故障モデルに対する検出率(故障カバレッジ)を数値で保証できます。現在のロジックLSIでは構造テストパターンが主流です。

テストベクタのやり取りには標準形式が使われます。IEEE 1450として標準化されたSTIL(Standard Test Interface Language)や、従来から使われているWGL、シミュレーションの波形を記録するVCDなどから、各テスタ固有の形式に変換してテストプログラムに組み込みます。設計側とテスト側でデータの形式とタイミングの定義を合わせることが、量産立ち上げ時のトラブルを減らす要点になります。

大規模SoCではテストベクタのデータ量が問題になります。パターン数が増えるとテスタのベクタメモリに収まらず、テスト時間も長くなるためです。対策として、チップ内に展開回路を設けて外部から送るデータを数十分の1に圧縮するテストコンプレッションや、チップ内部でパターンを生成するBISTが併用されています。テストベクタの量と質は、故障カバレッジとテストコストの両方を決める要素です。

よくある質問(FAQ)

テストベクタとテストプログラムの違いは何ですか?
テストベクタは入力信号と期待値の系列というデータそのものです。テストプログラムは、そのテストベクタをどの電圧・タイミングで印加し、どの順番で実行し、結果をどう判定・分類するかまでを定義したソフトウェアです。テストベクタはテストプログラムの構成要素の一つです。
テストコンプレッションとは何ですか?
チップ内部に展開回路と圧縮回路を設け、テスタから送るテストデータと受け取る結果のデータ量を大幅に減らす技術です。テスタのメモリ使用量とテスト時間を数十分の1程度に削減でき、大規模SoCのテストでは標準的に使われています。

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