フランク・リード源とは、両端を固定された転位の線分がせん断応力で弓なりにふくらみ、転位ループを次々に放出して転位を増やす仕組みです。金属の塑性変形を説明する考え方で、シリコンウェハでは熱処理中の温度差による応力で転位が増え、スリップの原因になります。CZ法のネッキングは転位を逃がして無転位結晶を作る工夫です。
目次 6項目 定義・解説 図解 よくある質問 関連用語 比較・違いを学ぶ 出典・参考資料 定義・解説 フランク・リード源とは、結晶の中で転位(原子の並びの線状のずれ)が次々に増えていく仕組みの1つです。1950年にF. C. フランクとW. T. リードが提案しました。両端を不純物や他の転位などで固定された転位の線分に、ずれの力(せん断応力)がかかると、線分が弓のようにふくらみ、やがて一周して輪(転位ループ)となって離れ、元の線分が残る、ということを繰り返します。
この仕組みによって、1本の転位から多数の転位ループが生み出されます。金属が少しの力で大きく変形できる(塑性変形)のは、こうした転位の増殖と移動によるもので、実際の結晶の強さが理論値よりはるかに低い理由の説明にもなりました。
半導体では、シリコンウェハの熱処理での不良と結びついています。拡散炉やRTPで、ウェハの中心と周辺に温度差ができると熱応力が生じ、高温で転位が増殖・移動してスリップ(すべり線)が発生します。スリップはウェハの反りやリーク電流の原因になるため、昇温・降温の速さやウェハの支え方を工夫して応力を抑えます。CZ法の結晶成長では、種結晶の直後を細く絞る(ネッキング)ことで、入り込んだ転位を外へ逃がして無転位の結晶を作ります。
図解 1950年にF. C. フランクとW. T. リードが提案した。 よくある質問(FAQ) フランク・リード源ではどのように転位が増えるのですか? 両端を固定された転位の線分にせん断応力がかかると、線分が弓のようにふくらみます。ふくらみがさらに大きくなると一周して両側がつながり、輪の形の転位ループが離れていきます。元の線分は残るので、応力がかかり続ける限りこれを繰り返し、転位がどんどん増えます。
シリコンウェハのスリップを防ぐにはどうしますか? スリップは熱処理中のウェハの温度差による熱応力で転位が増えて動くことで起こるため、温度差を小さくするのが基本です。昇温・降温の速さを抑える、ウェハの支え方を工夫して自重による応力を減らす、酸素析出物などで転位の動きを止める、といった対策がとられます。
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