ネッキング(Necking)とは、くびれ(ネック)を作ること、またはくびれができる現象のことです。半導体では主に、チョクラルスキー法(CZ法)でシリコン単結晶を育てるときに、種結晶の直後に直径数mmの細い首の部分を作る工程を指します。1959年にダッシュが考案したことから、この方法はダッシュ法、細い部分はダッシュネックとも呼ばれます。
ネッキングの目的は、結晶から転位をなくすことです。種結晶を高温のシリコン融液に浸すと、急な温度変化による熱衝撃で種結晶に転位(線状の結晶欠陥)が入ります。そのまま太くして結晶を育てると、転位が結晶全体に引き継がれてしまいます。そこで、引き上げの速度を上げて直径3〜5mm程度の細い首を一定の長さだけ育てると、転位は結晶の成長方向に対して斜めに伸びていくため、細い首の側面から外へ抜け出し、転位のない結晶になります。その後、引き上げを遅くして直径を広げる肩(クラウン)の部分を作り、目的の直径の胴体(ボディ)を育てます。
ネッキングには、首が細いほど転位がよく抜ける一方、細い首が結晶全体の重さを支えなければならないという課題があります。300mmウェハ用の大きなインゴットは数百kgに達するため、首の強度が限界に近づきます。そのため、首を太くしても転位が入りにくいように、ドーパントを多く含む種結晶を使う方法や、種結晶を融液になじませる温度の工夫などが開発されています。なお、ワイヤボンディングでは、ボールの直上のワイヤが熱で弱くなった部分(ネック)が切れることをネック切れと呼び、金属の引張試験で試験片がくびれる現象もネッキングと呼びます。