リフトピンとは、半導体の製造装置の処理室(チャンバー)の中で、静電チャックやヒーターのステージの上に置かれたウェハを、下から押し上げて持ち上げたり、ゆっくり下ろしたりするための細い棒状の部品です。ステージに開けた小さな穴から3本程度が上下に動き、ウェハをステージから浮かせることで、搬送ロボットのハンド(エンドエフェクタ)がウェハの下に入り込んで受け渡しできるようにします。
動作の流れは、まず搬送ロボットがウェハをステージの上まで運び、リフトピンが上がってウェハを受け取ります。ロボットのハンドが抜けると、リフトピンが下がってウェハをステージの上に置きます。処理が終わると、逆の手順でウェハを持ち上げて、ロボットに渡します。リフトピンは、真空を保ったまま上下に動く必要があるため、ベローズ(蛇腹)で密閉した駆動の機構で動かします。
小さな部品ですが、トラブルの原因になりやすい部品でもあります。静電チャックでは、処理の後にウェハに電荷が残っていると、リフトピンで持ち上げたときにウェハが跳ねたり、ずれたり、割れたりします。そのため、電荷を抜く処理(除電)とピンを上げる速さの制御が重要です。また、ピンの先端との接触でウェハの裏面に傷やパーティクルが付いたり、ピンの穴の周りで温度やプラズマが乱れて処理のむらが出たりすることもあります。材料には、セラミックス、石英、サファイアなど、プラズマや高温に強いものが使われます。