NANDストリングとは、NAND型フラッシュメモリで、複数のメモリセル(トランジスタ)を直列につないだ1本の列のことです。両端に選択トランジスタを持ち、一方がビット線、もう一方がソース線につながります。ストリング単位でセルを直列につなぐことで、セルごとに配線をつなぐ必要が無くなり、NAND型が高い記憶密度を実現できる理由になっています。
1本のストリングには、平面型(2D)のNANDでは32個や64個程度のセルが、3D NANDでは積層した層の数だけのセルが直列に並びます。各セルのゲートはワード線につながり、同じワード線を共有する多数のストリングのセルがまとめて1ページとして読み書きされます。
読み出しでは、読みたいセルのワード線に判定用の電圧を、それ以外のセルのワード線には記憶状態にかかわらずオンになる高い電圧(パス電圧)を加えます。こうすると、ストリングに電流が流れるかどうかが読みたいセルの状態だけで決まるため、直列につながっていても1つのセルの情報を読み出せます。消去はブロック(多数のストリングの集まり)単位でまとめて行います。
3D NANDでは、ワード線となる導電層と絶縁層を交互に何百層も積み、その積層膜を垂直に貫く細い穴(チャネルホール)を開けて、穴の内側に電荷をためる膜とポリシリコンのチャネルを付けます。この縦に伸びた1本のチャネルが1本のNANDストリングになります。積層数を増やすとストリングが長くなり、チャネルの抵抗が上がって読み出し電流が減るため、積層を2段・3段に分けてつなぐ構造などが使われます。
ストリングは直列構造のため、書き込みや読み出しのたびに同じストリングのほかのセルにも電圧がかかり、記憶が少しずつ乱れる読み出しディスターブや書き込みディスターブが起こります。これを補うため、メモリコントローラが誤り訂正やデータの書き直しを行っています。