DRAMのリフレッシュとは、セルキャパシタから少しずつ漏れていく電荷を、消えてしまう前に定期的に読み出して書き戻す動作です。DRAMは電荷の有無で0と1を記憶しますが、キャパシタの電荷はトランジスタのリーク電流などで自然に失われていきます。そのため、電源が入っていても放っておくとデータが消えてしまいます。「ダイナミック」RAMという名前は、この絶えず書き直しが必要な性質に由来します。
JEDECの規格では、通常の温度範囲で64ms以内にすべての行をリフレッシュすることが基本で、高温(85℃超)では間隔を半分の32msにします。メモリコントローラは一定間隔でリフレッシュのコマンドを出し、DRAMは内部のカウンタに従って行を順番に開いてセンスアンプで読み出し・再書き込みします。リフレッシュ中はその領域にアクセスできないため、容量が大きくなるほど性能と消費電力への負担が増えます。
負担を減らす工夫として、DDR5では一部のバンクだけをリフレッシュして他のバンクは動かせる「同一バンクリフレッシュ」が加わりました。スマートフォン向けのLPDDRでは、待機時にDRAM自身がリフレッシュを続けるセルフリフレッシュや、温度に応じて間隔を変える機能で電力を抑えます。微細化でキャパシタの容量が小さくなると電荷を保てる時間が短くなるため、リフレッシュはDRAMのスケーリングの大きな制約の1つです。