用語成膜装置膜厚計測装置最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

膜応力(内部応力)とは

Film Stress

膜応力とは、ウェハ上の薄膜にたまっている縮もうとする力(引張応力)や広がろうとする力(圧縮応力)のことです。成膜中に決まる真性応力と、熱膨張係数の違いによる熱応力があり、ウェハの反りからストーニーの式で求めます。大きすぎると反り・ひび割れ・はがれの原因になる一方、応力ライナーとして移動度の向上にも使われます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

膜応力(内部応力)とは、ウェハの上に作った薄膜の中にたまっている、縮もうとする力や伸びようとする力のことです。膜が縮もうとしてウェハを内側に引っぱる状態を引張応力、膜が広がろうとしてウェハを外側へ押す状態を圧縮応力と呼びます。応力があるとウェハは反り、引張なら膜側がへこむように、圧縮なら膜側がふくらむように曲がります。

応力の原因は2つに分けられます。1つは成膜中に原子の並び方や密度、水素の量などで決まる真性応力、もう1つは高温で膜を作ってから冷やすときに、膜とシリコンの熱膨張係数の違いで生じる熱応力です。応力は、成膜前後のウェハの反り(曲率半径)を測り、ストーニーの式で計算するのが一般的です。

膜応力は、大きすぎるとウェハの反りによる露光の焦点ずれや搬送エラー、膜のひび割れやはがれ、アルミ配線のヒロックの原因になります。3D NANDのように厚い膜を何百層も重ねる構造では、反りの制御が大きな課題です。一方で、トランジスタの上に引張応力の窒化膜を載せてnMOSの電子の移動度を上げるなど、応力を性能向上に利用する技術(応力ライナー)もあります。プラズマCVDの窒化膜は、高周波の電力や周波数の組み合わせで応力を大きく変えられます。

図解

膜の引張応力と圧縮応力によるウェハの反り方・不良・利用の比較
プラズマCVDの窒化膜は、条件で引張から圧縮まで作り分けられる。

よくある質問(FAQ)

引張応力と圧縮応力はどう見分けますか?
ウェハの反り方で見分けます。膜が縮もうとする引張応力では膜側がへこむように(膜を上にして凹形に)反り、膜が広がろうとする圧縮応力では膜側がふくらむように(凸形に)反ります。測定装置では、反りの向きから応力の符号を決めています。
膜応力はどうやって測りますか?
成膜の前と後でウェハの反り(曲率半径)をレーザーなどで測り、その変化と膜の厚さ、ウェハの厚さと弾性定数からストーニーの式で計算します。ウェハ全体の平均の応力が分かり、場所ごとの分布を測る装置もあります。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 日本金属学会「薄膜の応力とその物理冶金学的現象への影響(日本金属学会会報 29巻4号)」(2026/10/10 確認)