パッケージ反り(ワーページ:Warpage)とは、半導体パッケージが平らな状態から弓なりに反る現象、またはその反りの大きさのことです。パッケージは、シリコンのチップ、封止樹脂、パッケージ基板、はんだなど、熱膨張係数の異なる材料を張り合わせて作るため、温度が変わると材料ごとの伸び縮みの差によって全体が曲がります。バイメタルが温度で曲がるのと同じ原理です。
パッケージの反りは、温度によって大きさだけでなく向きも変わることが問題になります。室温では中央が下がった形でも、はんだを溶かすリフローの高温(ピークで約260℃)では中央が上がった形に変わる、といったことが起こります。BGAなどのパッケージでは、リフロー中に反りが大きいと、一部のはんだボールが基板のはんだと接触しなかったり(未接合)、溶けたはんだどうしがつながったり(ブリッジ)、ボールとはんだが溶け合わずに頭が枕に乗ったような不良(ヘッドインピロー)が起きたりします。そのため、加熱しながら反りを測るシャドウモアレ法などで、実装の温度の範囲全体での反りを評価します。
AI向けの大型のパッケージでは、反りが特に大きな課題です。大きなチップやインターポーザー、多数のHBMを1つの基板に載せるパッケージは面積が大きく、わずかな曲がりでも端での変位が大きくなります。対策として、封止樹脂やアンダーフィルの熱膨張係数・弾性率・ガラス転移温度の調整、基板の層構成の対称化、反りを抑える金属の補強枠(スティフナー)の取り付けなどが行われます。熱膨張係数がシリコンに近いガラスコア基板も、反りを抑える手段として期待されています。