OBIRCHとは、電圧をかけたチップにレーザーを走査して当て、温められた場所の抵抗の変化を電流の変化としてとらえることで、ショートやリークの場所を特定する故障解析の手法です。赤外線のレーザーを使えばチップの裏側から観察できます。エミッション顕微鏡などと使い分け、絞り込んだ場所をSEMやTEMで観察します。
目次7項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 設備の製造メーカー
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
OBIRCH(オバーク、Optical Beam Induced Resistance CHange)とは、チップにレーザー光を走査しながら当て、光で温められた場所の電気抵抗の変化を電流の変化として検出することで、ショート(短絡)やリーク電流の通り道など、故障の場所を特定する故障解析の手法です。1990年代に日本で開発されました。
チップに一定の電圧をかけた状態でレーザーを当てると、光が当たった場所がわずかに温まり、その場所の配線や電流の通り道の抵抗が変化します。電流が流れている場所でだけ電流の変化が起こるため、レーザーの位置と電流の変化を対応させて画像にすると、異常な電流が流れている場所が浮かび上がります。シリコンを通り抜ける波長1.3μm前後の赤外線のレーザーを使うと、配線が何層も重なった表側からではなく、チップの裏側から観察できます。
OBIRCHは、配線のショートやボイド、ゲート絶縁膜のリーク、異常な抵抗の場所などの特定に強く、故障による発光を検出するエミッション顕微鏡(EMMI)や、発熱を検出するロックイン発熱解析と使い分けられます。これらで故障の場所を数μmの範囲に絞り込んだ後、その場所を断面に加工して、SEMやTEMで原因となった構造を観察するのが、故障解析の一般的な流れです。
図解
発光を見るエミッション顕微鏡や、発熱を見るロックイン発熱解析と使い分ける。よくある質問(FAQ)
OBIRCHとエミッション顕微鏡の違いは何ですか?
エミッション顕微鏡は、故障の場所で電子と正孔が再結合したり、強い電界で加速されたりして出るかすかな光を検出します。OBIRCHは、レーザーで温めたときの抵抗の変化を検出するため、光を出さない金属の配線のショートや、抵抗の異常の特定に強いという違いがあります。両方を組み合わせて使うことが多いです。
なぜチップの裏側から観察するのですか?
最近のチップは表側に何層もの金属の配線が重なっていて、レーザーや光が下のトランジスタまで届かないからです。シリコンを通り抜ける赤外線を使い、裏側から観察すると、配線にじゃまされずにトランジスタや下の層の故障の場所を調べられます。
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出典・参考資料
- 浜松ホトニクス「半導体故障解析」(2026/10/10 確認)