最終更新 2026-10-19

FIBとは(集束イオンビーム)

Focused Ion Beam (FIB)

FIB(集束イオンビーム)とは、ガリウムなどのイオンを細く絞ったビームで、狙った場所をナノメートルの精度で削ったり、観察したり、膜を付けたりする技術です。半導体では、不良箇所の断面の作製、TEM用の薄い試料の切り出し、配線をつなぎ直す回路の修正に使われます。SEMと組み合わせたFIB-SEMが主流です。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

FIB(Focused Ion Beam:集束イオンビーム)とは、ガリウムなどのイオンを細く絞ったビームにして試料に当て、狙った場所をナノメートルの精度で削ったり、観察したり、膜を付けたりする装置と技術です。イオンは電子よりはるかに重いため、当たった場所の原子をはじき飛ばして削る(スパッタする)ことができます。電子ビームの顕微鏡(SEM)と1台に組み合わせたFIB-SEM(デュアルビーム)が広く使われています。

半導体での主な用途は3つです。1つ目は断面の作製で、チップの不良の場所を狙ってFIBで穴を掘り、断面をSEMで観察します。2つ目はTEM(透過型電子顕微鏡)用の試料作りで、チップから厚さ100nm以下の薄い板(ラメラ)を切り出します。3つ目は回路の修正で、配線を切ったり、ガスを流しながらビームを当てて金属の膜を付け、配線をつないだりして、マスクを作り直さずに設計の誤りを確かめます。フォトマスクの欠陥の修正にも使われます。

ガリウムのイオンは試料に入り込んで表面を傷めるため、最後は低い加速電圧で仕上げるなどの工夫が必要です。大きな体積を速く削りたい場合には、キセノンのプラズマを使うプラズマFIBが使われ、パッケージの断面やTSVの解析に向いています。故障解析では、OBIRCHなどで不良の場所を絞り込んでから、FIBで断面を作って原因を確かめる流れが一般的です。

図解

FIBを中心に、断面作製・TEM試料作製・回路修正・マスク修正・微小加工・プラズマFIBの用途を並べた図
一般的なFIBはガリウム、大体積の加工ではキセノンのプラズマを使う。

よくある質問(FAQ)

FIBとSEMの違いは何ですか?
SEMは電子ビームを当てて表面を観察する顕微鏡で、試料をほとんど傷めません。FIBは重いイオンのビームを当てるため、観察もできますが、主な目的は狙った場所を削ったり膜を付けたりする加工です。1台にFIBとSEMを組み合わせると、FIBで削りながらSEMで断面を観察できます。
FIBで回路を修正するとはどういうことですか?
試作したチップの配線を、FIBで削って切断したり、原料のガスを流しながらビームを当てて金属の膜を付けてつないだりして、回路を部分的に書き換えることです。マスクを作り直して再び製造する前に、設計の修正が正しいかを短期間で確かめられます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 精密工学会「集束イオンビームの原理とシリアルセクショニング(精密工学会誌 89巻6号)」(2026/10/19 確認)
  2. 日本顕微鏡学会「集束イオンビーム装置による薄片試料作製技術(顕微鏡 54巻3号)」(2026/10/19 確認)