THB試験(高温高湿バイアス試験)とは、パッケージを温度85℃・湿度85%の中で電圧をかけたまま1,000時間ほど放置し、湿気に対する耐久性を調べる信頼性試験です。入り込んだ水分と電圧によるアルミ電極の腐食やイオンマイグレーションを確かめます。時間がかかるため、温度と圧力を上げたHASTで代えることも多くなっています。
目次7項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 設備の製造メーカー
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
THB試験(Temperature Humidity Bias:高温高湿バイアス試験)とは、半導体のパッケージを、高い温度と湿度の中に置き、電圧をかけたまま長時間放置して、湿気に対する耐久性(耐湿性)を調べる信頼性試験です。代表的な条件は温度85℃・湿度85%(85/85試験)で、1,000時間続けるのが一般的です。JEDECの規格(JESD22-A101)などで方法が決められています。
樹脂のパッケージは、わずかずつ水分を通すため、長い間湿気の多い環境で使われると、水分がチップの表面まで入り込みます。そこに電圧がかかっていると、アルミニウムの電極が腐食したり、金属のイオンが電界に引かれて移動し、隣の配線とつながってしまったり(マイグレーション)します。THB試験は、こうした湿気と電圧による故障を、実際より厳しい条件で起こして確かめるものです。
THB試験は1,000時間と長い時間がかかるため、温度と圧力を上げて加速したHAST(高度加速寿命試験:例として130℃・85%で96時間)が、その代わりとして広く使われるようになりました。HASTはTHBと同じ種類の故障を短い時間で起こせますが、温度が高すぎると実際には起きない故障が出ることもあるため、材料や目的に合わせて使い分けます。電圧をかけないで湿気だけの影響を見る試験もあります。
図解
方法はJEDECのJESD22-A101などで決められている。よくある質問(FAQ)
THB試験とHASTの違いは何ですか?
どちらも高温高湿の中で電圧をかけて耐湿性を調べる試験ですが、THBは大気圧のもとで85℃・85%・1,000時間、HASTは圧力をかけて130℃・85%などの条件で96時間程度と、HASTのほうがはるかに短い時間で結果が出ます。ただし、HASTは温度が高いため、実際には起きない故障が出ることもあります。
なぜ電圧をかけたまま試験するのですか?
湿気による故障の多くは、水分と電圧の両方がそろったときに起こるからです。電圧がかかると、電極の腐食が電気化学的に進んだり、金属のイオンが電界に引かれて移動して配線どうしがつながったりします。実際の使用の状態に近づけるため、電圧をかけて試験します。
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