パッシベーション(保護膜)とは

Passivation

最終更新:2026-10-04・成膜装置・CVD装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

パッシベーション(保護膜)とは?

パッシベーションとは、表面を化学的・電気的に不活性な状態にして保護することです。半導体では主に、チップの最上層を窒化シリコンやポリイミドの保護膜で覆い、配線や素子を水分・可動イオン・傷から守ることを指します。表面のダングリングボンドを終端してキャリアの再結合を減らす処理も表面パッシベーションと呼びます。

定義・解説

パッシベーション(Passivation)とは、表面を化学的・電気的に不活性(パッシブ)な状態にして、外部の影響から保護することです。半導体では主に、チップの最上層を覆って配線や素子を水分・イオン・傷から守る保護膜(パッシベーション膜)を形成することを指します。このほか、半導体の表面の欠陥を不活性にして電気的な特性を良くする表面パッシベーション、金属の表面に酸化被膜を作って腐食を防ぐ不動態化の意味でも使われます。

チップの保護膜としてのパッシベーションは、前工程の最後に行われます。多層配線の最上層の上に、プラズマCVDで窒化シリコン(SiN)や酸化シリコンとの積層膜を形成し、必要に応じて応力を和らげるポリイミドを重ねます。窒化シリコンは水分やナトリウムなどの可動イオンを通しにくく、配線の腐食やトランジスタの特性変動を防ぎます。そのうえで、ワイヤボンディングやバンプを付けるパッドの部分だけ膜を開口します。パッシベーション膜に割れやピンホールがあると、封止樹脂を通って入り込んだ水分で配線が腐食するため、高温高湿試験(HAST)などで信頼性を確かめます。

表面パッシベーションは、半導体の表面や界面にあるダングリングボンド(結合相手のない原子の手)を終端して、キャリアの再結合や電荷の捕獲を減らす処理です。シリコンではゲート酸化膜の界面を水素で終端する熱処理(フォーミングガスアニール)が、太陽電池では酸化アルミニウム膜や水素を含む窒化シリコン膜による表面パッシベーションが変換効率を大きく高めます。GaNのHEMTでは、表面の窒化シリコン膜が電子の捕獲による電流の低下(電流コラプス)を抑えます。

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発化合物半導体エンジニア

よくある質問(FAQ)

パッシベーション膜には何が使われますか?▾
主にプラズマCVDで形成する窒化シリコン(SiN)や、酸化シリコンとの積層膜が使われます。窒化シリコンは水分や可動イオンを通しにくいのが特徴です。その上に、応力を和らげて封止樹脂との密着を良くするポリイミド膜を重ねることもあります。
表面パッシベーションとは何ですか?▾
半導体の表面や界面にある、結合相手のない原子の手(ダングリングボンド)を水素や薄膜で終端し、キャリアの再結合や電荷の捕獲を減らす処理です。トランジスタの界面特性の改善や、太陽電池の変換効率の向上に使われます。

設備の製造メーカー

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

Lam Research米国

エッチング装置の世界的リーダー。約39%の市場シェアを持ち、原子層エッチング(ALE)技術で先端3Dチップアー…

東京エレクトロン(TEL)日本

世界第3位の半導体製造装置メーカー。塗布現像、成膜、エッチング装置で高いシェアを誇り、先端プロセスに不可欠な技…

Kokusai Electric(国際電気)日本

バッチ式縦型CVD・熱処理装置の世界的リーダー。酸化・窒化・ALD成膜を高スループットで実現し、DRAM・NA…

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

成膜(CVD/PVD/ALD) のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

ジュソンエンジニアリング(Jusung Engineering)韓国カート・J・レスカー(Kurt J. Lesker)米国オックスフォード・インストゥルメンツ英国CVDエクイップメント(CVD Equipment Corporation)米国

比較・違いを学ぶ

CVDとPVDの違い(成膜プロセス比較)
CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)は気相の化学反応で薄膜を堆積し、PVD(Physical Vapor Depositi…
→
ALDとCVDの違い(原子層成膜 vs 化学気相成膜)
CVD(Chemical Vapor Deposition)は反応ガスを同時供給して連続的に成膜するのに対し、ALD(Atomic Layer Depositi…
→
PECVDとLPCVDの違い(プラズマCVD vs 熱CVD)
PECVDとLPCVDはどちらもCVD(化学気相成長)の一方式ですが、活性化エネルギーの源泉が根本的に異なります。PECVD(Plasma Enhanced C…
→
ALDとPVDの違い(原子層成膜 vs スパッタ成膜)
ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)とPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)は、どちらも半導…
→
MOCVDとMBEの違い(化合物半導体エピタキシー比較)
MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)はGaN LED・パワーHEMT・HBT・レーザー…
→
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →