最終更新 2026-10-19

データリテンションとは(データ保持)

Data Retention

データリテンション(データ保持)とは、電源を切ったメモリがデータを正しく保てる期間を表す特性で、「85℃で10年」のように温度と期間で示されます。フラッシュメモリでは閉じ込めた電子が時間とともに逃げ、しきい値電圧がずれてデータが化けます。高温ほど早く失われるため、加速試験で評価します。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

データリテンション(データ保持)とは、メモリに書き込んだデータを、電源を切った状態でどれだけの期間正しく保てるかを表す特性です。フラッシュメモリなどの不揮発性メモリでは「85℃で10年」「55℃で1年」のように、温度と期間の組み合わせで仕様が示されます。DRAMの場合は、電源が入っている状態でリフレッシュなしに電荷を保てる時間を指すこともあります。

フラッシュメモリのセルは、フローティングゲートや電荷トラップ膜に電子を閉じ込めて情報を記録します。時間がたつと、電子が絶縁膜を通り抜けたり、膜中の欠陥を伝って逃げたりして、セルのしきい値電圧が少しずつずれていきます。ずれが読み出しの判定の幅を超えると、データが化けます。電子が逃げる速さは温度が高いほど速いため、保持期間は温度に強く依存します。

製品の評価では、何年も待つ代わりに高温に置いて劣化を早め、アレニウスの式で実際の使用温度での期間に換算する加速試験が使われます。データリテンションは、書き換えを重ねて絶縁膜が傷んだセルほど短くなるため、エンデュランスと組み合わせて評価します。車載用のマイコンに内蔵するフラッシュのように、長期間の保持と高温動作の両方が求められる用途では特に重要です。

図解

書き込みから電子の流出、しきい値電圧のずれ、読み出し誤りまでのデータ保持劣化の流れ
ECCで訂正できる範囲なら、ずれがあってもデータは正しく読める。

よくある質問(FAQ)

SSDを長期間電源を入れずに保管しても大丈夫ですか?
短期間なら問題ありませんが、フラッシュメモリは時間とともに電荷が失われるため、長期保管には向きません。保持期間は書き換えた回数が多いほど、また保管温度が高いほど短くなります。長期のバックアップには、定期的に通電・読み出しを行うか、別の保管媒体を併用するのが安全です。
データリテンションはどのように試験しますか?
実際に10年待つことはできないため、データを書き込んだメモリを高温(例えば125℃や150℃)に置いて電荷の減少を早め、その結果をアレニウスの式で使用温度の期間に換算します。書き換えを規定回数行ってから試験し、最悪の条件で保持期間を保証します。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JEDEC「retention」(2026/10/19 確認)
  2. 応用物理学会「フラッシュメモリーの現状と今後の展望(応用物理 79巻12号)」(2026/10/19 確認)