ソフトエラーとは、宇宙から降り注ぐ放射線や、パッケージの材料に含まれるわずかな放射性物質から出る放射線が半導体のチップに当たり、メモリやラッチ回路に記録されていた0と1が一時的に反転してしまう誤りのことです。チップそのものは壊れていないため、データを書き直せば元に戻ります。この点で、回路が物理的に壊れるハードエラーと区別されます。
原因となる放射線は主に2つです。1つは、パッケージやはんだの材料に含まれるごく微量のウランやトリウムから出るα線です。もう1つは、宇宙線が大気とぶつかってできる中性子で、地上にも降り注いでおり、標高が高い場所や航空機の上ではより多くなります。放射線がシリコンの中を通ると電荷が発生し、それが記憶している電荷を打ち消すほどの量になると、ビットが反転します。微細化で記憶している電荷が小さくなるほど、少ない電荷でも反転しやすくなります。
ソフトエラーの起こりやすさは、10億時間あたりに何回起こるかを表すFITで評価し、JEDECの規格(JESD89)に試験の方法が定められています。対策としては、α線の少ない材料(低α線のはんだやモールド材)を使う、SRAMやDRAMに誤り訂正符号(ECC)を付ける、同じデータのビットを物理的に離して配置し複数のビットが同時に反転しないようにする、重要な回路を3重にして多数決をとる、といった方法があります。自動車やサーバー、航空宇宙の用途では特に重視されます。