最終更新 2026-10-19

ソフトエラーとは(α線・中性子)

Soft Error

ソフトエラーとは、宇宙線由来の中性子や、パッケージの材料に含まれる微量の放射性物質から出るα線がチップに当たり、メモリやラッチに記録された0と1が一時的に反転する誤りです。チップは壊れておらず書き直せば戻ります。誤り訂正符号(ECC)や低α線の材料で対策し、車載やサーバーで特に重視されます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ソフトエラーとは、宇宙から降り注ぐ放射線や、パッケージの材料に含まれるわずかな放射性物質から出る放射線が半導体のチップに当たり、メモリやラッチ回路に記録されていた0と1が一時的に反転してしまう誤りのことです。チップそのものは壊れていないため、データを書き直せば元に戻ります。この点で、回路が物理的に壊れるハードエラーと区別されます。

原因となる放射線は主に2つです。1つは、パッケージやはんだの材料に含まれるごく微量のウランやトリウムから出るα線です。もう1つは、宇宙線が大気とぶつかってできる中性子で、地上にも降り注いでおり、標高が高い場所や航空機の上ではより多くなります。放射線がシリコンの中を通ると電荷が発生し、それが記憶している電荷を打ち消すほどの量になると、ビットが反転します。微細化で記憶している電荷が小さくなるほど、少ない電荷でも反転しやすくなります。

ソフトエラーの起こりやすさは、10億時間あたりに何回起こるかを表すFITで評価し、JEDECの規格(JESD89)に試験の方法が定められています。対策としては、α線の少ない材料(低α線のはんだやモールド材)を使う、SRAMやDRAMに誤り訂正符号(ECC)を付ける、同じデータのビットを物理的に離して配置し複数のビットが同時に反転しないようにする、重要な回路を3重にして多数決をとる、といった方法があります。自動車やサーバー、航空宇宙の用途では特に重視されます。

図解

α線、宇宙線由来の中性子、熱中性子というソフトエラーの原因と、それぞれの対策および回路での対策
発生率はFIT(10億時間あたりの回数)で表し、JEDEC JESD89に試験方法がある。

よくある質問(FAQ)

ソフトエラーとハードエラーの違いは何ですか?
ソフトエラーは、放射線などでデータが一時的に反転する誤りで、チップ自体は壊れていないため、データを書き直せば正しく動きます。ハードエラーは、配線の断線やトランジスタの劣化のように回路が物理的に壊れることで起こる誤りで、同じ場所で繰り返し誤りが起こり、書き直しても直りません。
飛行機の上ではソフトエラーが増えるのですか?
増えます。ソフトエラーの主な原因の1つである中性子は、宇宙線が大気とぶつかってできるため、高度が高いほど多くなります。航空機が飛ぶ高度では地上の数百倍になるとされ、航空機や宇宙で使う電子機器では、ソフトエラーへの対策がより厳しく求められます。

設備の製造メーカー

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

メモリ半導体・信頼性・劣化メカニズム のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

アドバンテスト日本エスペック日本Samsung Electronics(サムスン電子)韓国Aehr Test Systems米国SK hynix(SKハイニックス)韓国トリオテック・インターナショナルシンガポール

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JEDEC「soft error」(2026/10/19 確認)
  2. JEDEC「soft error rate (SER)」(2026/10/19 確認)