エピタキシャルウェハメーカー5

エピタキシャルウェハは、単結晶基板の上に結晶方位を引き継いだ薄い単結晶層を成長させたウェハです。基板が持つCOPや酸素析出物といった欠陥の影響を受けない清浄な層をデバイス形成面にできるため、歩留まりと信頼性が向上します。エピ層と基板で不純物濃度を作り分けられる点も重要で、パワーデバイスでは高抵抗のエピ層で耐圧を、低抵抗の基板でオン抵抗を受け持つ設計が標準です。膜厚と抵抗率の面内均一性が、そのままデバイス特性のばらつきになります。

メーカー 5関連カテゴリ 7

主要特徴

基板上に方位を引き継いだ清浄な単結晶層を成長させたウェハ
基板の結晶欠陥の影響を受けない層をデバイス形成面にできる
エピ層と基板で不純物濃度を作り分けられる
膜厚と抵抗率の面内均一性がデバイス特性ばらつきになる

スペック比較

このページの製品は種類が異なります。まず種類で絞り込み、同じ種類の製品どうしを比較してください。

種類メーカー製品主要用途
シリコンエピ信越化学工業300mm シリコンエピタキシャルウェハ先端ロジック・CMOS イメージセンサ
SUMCOエピタキシャルウェハ(ロジック・パワー向け)ロジック・パワーデバイス・アナログ
SiC エピレゾナック(旧昭和電工)SiC エピタキシャルウェハ(HGE/AGE グレード)車載 SiC MOSFET・SBD

シリコンエピ2製品の比較

項目信越化学工業300mm シリコンエピタキシャルウェハSUMCOエピタキシャルウェハ(ロジック・パワー向け)
口径300 mm300/200/150 mm
エピ層厚みの目安1 ~ 10 µm1 ~ 100 µm(用途による)
成長方式常圧/減圧 CVD エピタキシーCVD エピタキシー
管理指標エピ層厚み均一性・抵抗率・積層欠陥厚み・抵抗率の面内均一性、オートドープ
主要用途先端ロジック・CMOS イメージセンサロジック・パワーデバイス・アナログ

※ スペックは各メーカーの公開情報に基づく参考値です。メーカーが公表していない項目は「—」としています。正確な仕様はメーカーへお問い合わせください。

代表製品・スペック

製品写真
信越化学工業

300mm シリコンエピタキシャルウェハ

研磨ウェハ上に単結晶シリコン層を気相成長させたウェハ。基板と異なる抵抗率のデバイス層を作れるため、ラッチアップ耐性などが上がる。

口径300 mm
エピ層厚みの目安1 ~ 10 µm
成長方式常圧/減圧 CVD エピタキシー
管理指標エピ層厚み均一性・抵抗率・積層欠陥
主要用途先端ロジック・CMOS イメージセンサ
信越化学工業 の企業情報を見る →
製品写真
SUMCO

エピタキシャルウェハ(ロジック・パワー向け)

抵抗率の異なるエピ層を狙った厚みで積む。パワーデバイスでは厚膜・高抵抗率、ロジックでは薄膜・高均一性が求められる。

口径300/200/150 mm
エピ層厚みの目安1 ~ 100 µm(用途による)
成長方式CVD エピタキシー
管理指標厚み・抵抗率の面内均一性、オートドープ
主要用途ロジック・パワーデバイス・アナログ
SUMCO の企業情報を見る →
製品写真
レゾナック(旧昭和電工)

SiC エピタキシャルウェハ(HGE/AGE グレード)

SiC 基板上に SiC エピ層を成長させたウェハ。エピ層の欠陥がそのままデバイス不良になるため、グレードは欠陥密度で分かれる。

材料4H-SiC
口径150 mm(6 インチ)中心、200 mm 対応を推進
グレードHGE/AGE(欠陥密度で区分)
管理指標基底面転位・キラー欠陥密度・膜厚均一性
主要用途車載 SiC MOSFET・SBD
レゾナック(旧昭和電工) の企業情報を見る →

※ スペックは公開情報に基づく参考値です。正確な仕様はメーカーへお問い合わせください。

メーカー

5社の主要メーカー

信越化学工業日本

シリコンウェハ・フォトレジスト材料・塩化ビニルの世界的大手。半導体向けには300mmウェハとEUVレジスト材料でトップシェア。

シリコンウェハ
300mmポリッシュドウェハエピタキシャルウェハ
フォトレジスト材料
ArF用PHS樹脂EUV用材料
封止材
半導体エポキシ封止材
  • シリコンウェハ(300mm)で世界シェア約30%
  • ArF/EUV向けフォトレジスト材料で業界首位級
会社詳細
SUMCO日本

シリコンウェハ専業の世界第2位メーカー。三菱マテリアル・住友金属鉱山のウェハ事業を統合し、300mmウェハを中心に世界の主要Fabに供給。

シリコンウェハ
300mmポリッシュドウェハエピタキシャルウェハSOIウェハ
  • シリコンウェハ世界シェア約25%(第2位)
  • 300mmエピウェハ・SOIウェハの先端品対応
会社詳細
住友化学日本

総合化学メーカー。半導体材料分野ではフォトレジスト(ArF・EUV)・偏光フィルム・有機EL材料で世界的存在感を持つ。特にEUVレジスト開発で日本材料メーカーとして重要な役割を担う。

フォトレジスト材料
ArF液浸レジストEUVレジスト(CAR系)KrFレジスト
半導体プロセス材料
光酸発生剤(PAG)レジストポリマー保護膜材料
  • ArF液浸・EUV向けフォトレジスト(化学増幅型CAR)の技術開発力
  • 光酸発生剤(PAG)・レジストポリマーの高純度合成技術
会社詳細
住友電気工業(SiC・化合物半導体)日本

電線・光ファイバを主事業に持つ住友電工の化合物半導体部門。SiCウェハ・GaAs・InP基板などパワーデバイス・光通信向けウェハを供給。

SiCウェハ
SiCエピウェハSiCバルクウェハ
化合物半導体基板
GaAs基板InP基板
  • SiCウェハで国内有数のサプライヤー
  • GaAs・InP化合物半導体基板の長年の製造実績
会社詳細
レゾナック(旧昭和電工)日本

2023年に昭和電工と日立化成が統合して発足した半導体材料の総合メーカー。CMPスラリー・半導体封止材・エピタキシャルウェーハ・SiCエピウェーハを主力とする。

研磨材料
CMPスラリー(酸化膜・メタル)CMP研磨パッド
半導体基板
SiCエピウェーハSiエピウェーハ
封止材
半導体封止コンパウンド(EMC)
  • CMPスラリー(High-Purity Colloidal Silica)で世界上位シェア
  • SiCエピタキシャルウェーハで国内最大手。パワー半導体市場の拡大を追い風に
会社詳細

関連カテゴリ

関連用語

比較・違いを学ぶ

ラッピングと両面研磨(DSP)の違い
どちらもウェハの表裏を同時に加工して平坦度を作る工程ですが、狙いが違います。ラッピングはスライス痕と厚みばらつきを短時間で除去する粗加工、両面研磨(DSP)はリ
エピタキシャルウェハとポリッシュドウェハの違い
同じシリコンウェハでも、研磨しただけのポリッシュドウェハと、その上にエピタキシャル層を成長させたエピウェハでは、表層の素性がまったく違います。前者は「インゴット
CZ法とFZ法の違い(シリコン単結晶成長の比較)
CZ法(チョクラルスキー法)は石英ルツボの融液から種結晶を引き上げて単結晶を育てる方法、FZ法(フローティングゾーン法)はルツボを使わず帯溶融で単結晶化・精製す
300mmウェーハと200mmウェーハの違い(コスト・用途・設備の比較)
半導体製造ウェーハの直径(インチ数)はチップの製造コストと適用用途を大きく左右します。300mm(12インチ)ウェーハは先端ロジック・DRAM・NANDの大量生
SOIウェハとバルクシリコンウェハの違い
トランジスタを作る土台となるウェハには、一般的なバルクシリコンウェハのほかに、内部に絶縁膜を埋め込んだSOIウェハがあります。どちらを選ぶかは、トランジスタの性
← 半導体装置カテゴリ一覧に戻る