アナログ回路設計エンジニア
この職種は何をするのか
アナログ回路設計エンジニアは、センサー信号の増幅、ADC/DACによる変換、電源電圧の生成、無線信号の送受信など、「0と1ではない連続量」を扱う回路を設計する職種です。トランジスタ1個1個のサイズと配置を自分で決め、SPICEシミュレーションで特性を詰めていきます。自動化が進んだデジタル設計と違い、経験と勘がものを言う領域で、人材が慢性的に不足しています。
仕事内容
回路トポロジーの選定とトランジスタ設計
差動増幅器・カレントミラー・コンパレータなどの基本回路を組み合わせ、利得・帯域・雑音・消費電力の目標を満たす構成を選びます。トランジスタのサイズを1個ずつ決め、しきい値電圧やチャネル長変調の影響を見込みます。
SPICEシミュレーションとばらつき解析
製造ばらつき・温度・電源電圧の全組み合わせ(コーナー)とモンテカルロ解析で、量産時にも特性が崩れないことを確かめます。アナログ回路はばらつきに敏感なため、この工程が設計期間の大半を占めます。
レイアウトへの指示と寄生成分の評価
対称配置や配線の引き回しで特性が変わるため、レイアウト担当と密に連携します。レイアウト後の寄生抵抗・容量を抽出して再シミュレーションし、設計値からのずれを追い込みます。
実チップ評価
試作チップが戻ったら、測定器やアナログATEで特性を評価し、シミュレーションとの差の原因を解析します。デジタル設計よりも実測で初めて分かる問題が多い職種です。
担当する工程・装置
必要になる知識・用語
主な企業
関連する技術比較
よくある質問
アナログ回路設計はなぜ人材不足と言われるのですか?
設計の自動化がデジタルほど進んでおらず、一人前になるまでに長い経験が要るためです。育成に時間がかかる一方で、車載・電源・センサー向けの需要は伸び続けています。
先端ノードで設計することはありますか?
アナログ回路は微細化の恩恵が小さく、耐圧や雑音の面ではむしろ不利になるため、28nm以上の成熟ノードやBiCMOS・SOIで設計することが多い職種です。SoCに混載する場合は先端ノードも扱います。
デジタル回路設計との一番の違いは何ですか?
デジタルは「論理が正しいか」と「間に合うか」を問いますが、アナログは電圧・電流そのものの精度を問います。同じトランジスタでも見ている物理量がまったく違います。