設計・デバイス開発
パワーデバイス開発エンジニア
最終更新:2026-09-21
この職種は何をするのか
パワーデバイス開発エンジニアは、EVのインバーターや産業機器、電源で電力を制御するIGBT・パワーMOSFET・SiC MOSFET・GaNデバイスを開発する職種です。高い耐圧と低いオン抵抗、少ないスイッチング損失を同時に満たす構造を設計し、それを量産できる工程に落とし込みます。日本企業が世界シェアで存在感を保っている数少ない領域で、国内の採用も活発です。
仕事内容
耐圧とオン抵抗の設計
ドリフト層の厚さと濃度、トレンチ構造やスーパージャンクション構造を組み合わせ、耐圧を保ったままオン抵抗を下げる設計を詰めます。これがパワーデバイスの性能指標の中心です。
ワイドバンドギャップ材料の工程開発
SiCはシリコンより硬く不純物が拡散しにくいため、高温イオン注入や高温活性化アニールなど専用の工程が要ります。基板やエピ層の結晶欠陥がデバイス特性に直結するのも特徴です。
スイッチング特性と信頼性の評価
ダブルパルス試験でスイッチング損失を測り、短絡耐量・ゲート酸化膜の信頼性・高温動作を評価します。車載用途では要求される信頼性水準が特に厳しくなります。
モジュールとの協調設計
チップ単体ではなく、実装基板・放熱・ゲートドライバを含むパワーモジュールとして性能を出す必要があり、実装部門と一体で設計を進めます。
担当する工程・装置
必要になる知識・用語
パワー半導体Power SemiconductorSiC MOSFET(炭化ケイ素パワートランジスタ)SiC MOSFET (Silicon Carbide MOSFET)IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)Insulated Gate Bipolar Transistorオン抵抗(RDS(on))On-Resistance耐圧(絶縁破壊電圧)Breakdown Voltageスーパージャンクション構造Super JunctionトレンチMOSFETTrench MOSFETワイドバンドギャップ半導体Wide Bandgap Semiconductorスイッチング損失Switching Loss
主な企業
関連する技術比較
よくある質問
ロジック半導体のデバイス開発とどこが違いますか?
ロジックが微細化で性能を上げるのに対し、パワーデバイスは縦方向の構造と材料で耐圧と損失を改善します。数百〜数千ボルトを扱うため、微細さより電界の分布をどう設計するかが主題です。
なぜ日本企業が強いのですか?
三菱電機・富士電機・東芝・ロームなど、重電や家電の電力制御で長年蓄積してきた技術があるためです。IGBTでは日本企業が世界シェアの上位に並び、SiCでも量産で先行する企業があります。
電気電子系以外の出身でも就けますか?
結晶成長や材料評価の担当では、材料工学・物理・化学の出身者も多く活躍しています。SiCの課題の多くが結晶欠陥に由来するためです。