PDKエンジニア(プロセス設計キット開発)
この職種は何をするのか
PDKエンジニアは、ファウンドリの製造プロセスを回路設計者が使える形に翻訳したプロセス設計キット(PDK)を開発する職種です。PDKにはトランジスタのSPICEモデル、デザインルール(DRC)、回路とレイアウトの照合ルール(LVS)、寄生抽出の設定、基本素子のレイアウト部品が含まれます。設計者はPDKだけを頼りに設計するため、PDKの誤りはそのまま顧客のチップの不良になります。
仕事内容
SPICEモデルの抽出
TEGの電気特性を大量に測定し、トランジスタ・抵抗・容量のモデルパラメータを抽出します。製造ばらつきを表すコーナーモデルや統計モデルも作ります。
DRC・LVSルールの作成
製造部門の加工限界から決まるデザインルールを、EDAツールで検証できるルールファイルに書き起こします。ルールの抜けや誤検出は設計者の手戻りに直結します。
寄生抽出と基本素子の整備
配線の抵抗・容量を抽出するための技術ファイルと、設計者が配置して使う基本素子(Pcell)を整備します。
PDKの品質保証とリリース
新しいPDK版をテスト回路で検証し、変更点を文書化して顧客にリリースします。複数のEDAツールそれぞれで同じ結果になることの確認も必要です。
担当する工程・装置
必要になる知識・用語
主な企業
関連する技術比較
よくある質問
PDKエンジニアはどの会社にいますか?
主にファウンドリです。自社工場を持つIDMにも社内向けPDKの担当がいます。EDAベンダーにもPDKとツールの対応を担う技術者がおり、Rapidusのように新しくファウンドリ事業を始める企業では立ち上げの中核になる職種です。
設計とプロセスのどちらの知識が必要ですか?
両方です。デバイスの電気特性と製造上の制約を理解したうえで、設計者が使うEDAツールの仕組みも知っている必要があります。デバイスエンジニアやレイアウトエンジニアから移る人が多い職種です。
オープンソースPDKとは何ですか?
SkyWaterの130nmプロセスなど、PDKを公開して誰でも設計できるようにした取り組みです。大学や新興企業の設計者が実際のプロセスに触れられるようになり、PDKの仕組みを学ぶ教材にもなっています。