衝突断面積とは、粒子どうしがぶつかって反応が起こる確率を、的の面積に置き換えて表した量です。気体の密度と組み合わせると平均自由行程 λ=1/(nσ) が求まり、圧力によるイオンの方向性の変化を説明できます。プラズマでは電離・解離・励起ごとの断面積が電子のエネルギーで変わり、反応の計算の基礎データになります。
目次5項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
定義・解説
衝突断面積とは、粒子どうしがぶつかって何かが起こる確率を、相手の粒子が持つ「的の面積」に置き換えて表した量です。単位は面積(cm²やm²)で、値が大きいほどその衝突が起こりやすいことを意味します。気体の分子の大きさから見積もる幾何学的な断面積のほか、プラズマでは電離・解離・励起などの反応ごとに別々の断面積を考えます。
衝突断面積σと気体の密度nが分かると、粒子が次にぶつかるまでに進む平均の距離(平均自由行程)は λ=1/(nσ) で求められます。たとえばアルゴン気体では、圧力1Paで平均自由行程は数mm程度になり、圧力を下げるほど長くなります。スパッタやエッチングで圧力を変えると、イオンがシースを横切る間に衝突する回数が変わり、イオンの方向性やエネルギーが変化するのはこのためです。
プラズマの中の電子が気体分子にぶつかったときの断面積は、電子のエネルギーで大きく変わります。アルゴンの電離では約15.8eV以上で反応が始まり、100eV前後で最大になります。電子のエネルギーの分布と各反応の断面積を組み合わせると、どれだけのイオンやラジカルが作られるかを計算でき、プラズマのシミュレーションやエッチングガスの選定の基礎データとして使われます。
図解
n は気体の密度、σ は衝突断面積。よくある質問(FAQ)
衝突断面積と平均自由行程はどう関係しますか?
平均自由行程λは、気体の密度nと衝突断面積σを使って λ=1/(nσ) で表されます。断面積が大きいほど、また圧力が高く密度が大きいほど、粒子は短い距離でぶつかります。プラズマ装置で圧力を変えると衝突の頻度が変わるのはこのためです。
電子のエネルギーで断面積が変わるのはなぜですか?
電離や解離などの反応には、それを起こすのに必要な最低限のエネルギー(しきい値)があるからです。しきい値より低いエネルギーの電子では反応が起こらず、高くなるにつれて断面積が増え、ある所で最大になった後、速すぎて相互作用する時間が短くなると再び減っていきます。
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