最終更新 2026-10-19

ボッシュプロセスとは

Bosch Process

ボッシュプロセスとは、六フッ化硫黄のプラズマでシリコンを削る工程と、フッ素樹脂の保護膜を付ける工程を数秒ごとに交互に繰り返し、シリコンを深く垂直に掘るドライエッチングの方法です。底の保護膜だけがイオンで壊れて下へ進み、深さが幅の数十倍の穴も掘れます。MEMSやTSVの加工に欠かせません。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ボッシュプロセスとは、シリコンを深くまっすぐに掘るために、エッチング(削る工程)と保護膜の堆積(守る工程)を数秒ごとに交互に繰り返すドライエッチングの方法です。ドイツの自動車部品メーカー、ロバート・ボッシュ社が特許を取得したことから、この名前で呼ばれています。深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)を代表する方法で、MEMSやTSV(シリコン貫通電極)の加工に欠かせません。

エッチングの工程では、六フッ化硫黄(SF6)のプラズマでシリコンを削ります。このガスはシリコンを全方向に削る(等方性)ため、そのままでは穴の横にも広がってしまいます。そこで、次の保護の工程で、八フッ化シクロブタン(C4F8)のプラズマを使って、穴の底と側壁の全体にテフロンのような薄いフッ素樹脂の膜を付けます。再びエッチングに切り替えると、垂直に飛んでくるイオンが底の保護膜だけを先に壊し、側壁の膜は残るため、底だけが削られて下へ進みます。

この繰り返しにより、深さが幅の数十倍にもなる穴や溝を、高い速さで垂直に掘ることができます。ただし、1回ごとのエッチングで少しずつ横に削れるため、側壁にはスキャロップと呼ばれる波形の凹凸が残ります。TSVでは、この凹凸が後で付けるバリア膜や銅の埋め込みに影響するため、切り替えの時間を短くして凹凸を小さくするなどの工夫がされています。

図解

SF6でのエッチング、C4F8での保護膜の堆積、底の保護膜の除去、底だけが進むボッシュプロセスの繰り返し
ガスの種類や切り替えの時間は加工する形と速さに合わせて調整する。

よくある質問(FAQ)

ボッシュプロセスとDRIEの違いは何ですか?
DRIE(深掘り反応性イオンエッチング)は、シリコンを深く掘るエッチングの総称です。ボッシュプロセスはその代表的な方法の1つで、エッチングと保護膜の堆積を交互に繰り返すのが特徴です。DRIEにはこのほか、ウェハを極低温に冷やして保護膜を作るクライオプロセスなどもあります。
スキャロップとは何ですか?
ボッシュプロセスで掘った穴の側壁に残る、ホタテ貝の殻のような波形の凹凸です。1回ごとのエッチングで、保護膜が壊れた底から少しずつ横にも削れるために生じます。エッチングと保護の切り替えの時間を短くすると凹凸は小さくなりますが、掘る速さは下がります。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. サムコ「Technical Report 高速Boschプロセス専用ICPエッチング装置 RIE-800iPB プロセスデータ」(2026/10/19 確認)