ボーイングとは、ドライエッチングで深い穴や溝を掘ったとき、側壁が途中で外側にふくらんでたるのような形になる不良です。マスクの肩で反射したイオンや、側壁の帯電で曲げられたイオンが側壁を削ることが原因です。3D NANDのメモリホールなど高アスペクト比の加工で問題になり、側壁保護やパルスプラズマで抑えます。
目次6項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 設備の製造メーカー
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
定義・解説
ボーイングとは、ドライエッチングで深い穴や溝を掘ったとき、側壁が途中で外側にふくらみ、断面がたる(樽)のような形になる不良です。本来はまっすぐ垂直に掘りたい側壁が弓(bow)のように曲がることからこう呼ばれます。
主な原因は、まっすぐ下に向かうはずのイオンの一部が斜めに曲がって側壁に当たることです。マスクの肩の部分が削れて斜めになり(ファセット)、そこで反射したイオンが側壁をたたく場合や、穴の上部の側壁に電子がたまってマイナスに帯電し(チャージアップ)、イオンの軌道を曲げる場合があります。側壁を守る堆積膜(ポリマー)が足りないと、削られた側壁がそのままふくらみになります。
ボーイングは、穴の深さが直径の数十倍もある高アスペクト比のエッチング、特に3D NANDのメモリホールやDRAMのキャパシタの穴で大きな問題です。隣の穴とつながってしまったり、後の膜を均一に付けられなくなったりするためです。対策として、側壁を守る堆積性のガスの調整、パルス状にプラズマを変化させて帯電を抑える方法、ウェハを低温にして側壁の反応を抑える方法などが使われています。なお、ウェハ全体の反り(bow)とは別の意味です。
図解
形状は断面のSEMやTEMで確認する。よくある質問(FAQ)
ボーイングはなぜ起こるのですか?
まっすぐ下に向かうべきイオンの一部が斜めに曲がって側壁に当たるためです。マスクの肩が削れて斜めになった部分でイオンが反射する場合と、穴の上部の側壁が帯電してイオンの軌道を曲げる場合があります。側壁を守る堆積膜が不足していると、ふくらみが大きくなります。
ボーイングとウェハの反り(ボウ)は同じですか?
違います。エッチングのボーイングは穴や溝の断面の側壁がふくらむ形状の不良です。ウェハのボウ(bow)は、ウェハ全体がお椀のように反っている量を表す平坦度の指標です。どちらも「弓なり」を意味する英語に由来しますが、対象がまったく違います。
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