最終更新 2026-10-19

フローティングゲートとは(浮遊ゲート)

Floating Gate

フローティングゲートとは、フラッシュメモリのセルで、絶縁膜に囲まれてどこにもつながっていない導電体の層に電子をためて情報を記録する構造です。電子の有無でトランジスタのしきい値電圧が変わり、0と1を区別します。導電体のため欠陥から電子がまとめて逃げやすく、3D NANDでは多くが電荷トラップ方式に移りました。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

フローティングゲート(浮遊ゲート)とは、フラッシュメモリのセルで電子をためて情報を記録するための、周りを絶縁膜で完全に囲まれた導電体(主にポリシリコン)の層です。トランジスタのゲートの下に、どこにも電気的につながっていない「浮いた」ゲートを1枚挟んだ構造で、ここに電子が入っているかどうかで、トランジスタのしきい値電圧が変わり、0と1を区別します。

書き込みでは、上の制御ゲートに高い電圧をかけて、電子に薄いトンネル酸化膜を通り抜けさせ(FNトンネル効果)、フローティングゲートに閉じ込めます。NORフラッシュではチャネルで加速した高エネルギーの電子(ホットエレクトロン)を注入する方式も使われます。電子は絶縁膜に囲まれているため、電源を切っても長期間逃げず、これが不揮発性の仕組みです。1967年にベル研究所のカーンとジーが提案し、その後の東芝によるフラッシュメモリの発明につながりました。

フローティングゲートは導電体なので、絶縁膜に1か所でも欠陥があると、ためた電子がそこからまとめて逃げてしまいます。また、セルどうしが近づくと隣のゲートの電荷が影響し合います。こうした理由から、3D NANDの多くは、電子を絶縁体(窒化シリコン)の中の欠陥に分散して捕まえる電荷トラップ方式に移りました。一方、Intel(現Solidigm)は3D NANDでもフローティングゲートを使い続け、NORフラッシュやマイコン内蔵のフラッシュでは今も主流です。

図解

制御ゲート、ゲート間絶縁膜、フローティングゲート、トンネル酸化膜、シリコン基板の積層構造
膜厚や材料は世代によって異なる。

よくある質問(FAQ)

フローティングゲートと電荷トラップの違いは何ですか?
電子をためる場所が、フローティングゲートでは導電体(ポリシリコン)、電荷トラップでは絶縁体(窒化シリコン)の中の欠陥です。導電体では電子が自由に動くため、絶縁膜の1か所の欠陥から全部逃げる恐れがありますが、絶縁体では電子が散らばって捕まるため、局所的な欠陥に強くなります。
なぜ電源を切ってもデータが消えないのですか?
フローティングゲートは周りを絶縁膜で完全に囲まれているため、一度閉じ込めた電子は、高い電圧をかけない限りほとんど出入りできないからです。それでも長い時間をかけて少しずつ漏れるため、製品にはデータを保てる期間(データリテンション)が規定されています。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. キオクシア「技術用語集」(2026/10/19 確認)