エンデュランス(書き換え耐性)とは、不揮発性メモリのセルが、性能の規定を満たしたまま何回まで書き換え(書き込みと消去)を繰り返せるかを表す指標です。NANDフラッシュでは「P/Eサイクル」(Program/Erase)の回数で表し、この回数を超えると、データを正しく書けなくなったり、保てる期間が短くなったりします。
NANDフラッシュが劣化するのは、書き込みや消去のたびに電子が高い電界で薄い絶縁膜(トンネル酸化膜)を通り抜け、その一部が膜の中に捕まって欠陥を増やしていくためです。欠陥が増えるとセルのしきい値電圧がずれやすくなり、読み出しの誤りが増えます。1セルに記録するビット数が多いほど許されるずれは小さく、一般にSLCは数万〜10万回、MLCは数千〜1万回、TLCは数千回、QLCは千回前後が目安とされます。
新しい不揮発性メモリでは、エンデュランスが大きな売りになります。FeRAMやMRAMは10の10乗回以上の書き換えに耐えるものがあり、頻繁にデータを書き換える用途でフラッシュの代わりに使われます。ReRAMやPCMはその中間です。エンデュランスはデータリテンション(保持期間)と引き換えの関係にあり、書き換えを重ねたセルほど保持期間が短くなるため、両者はセットで評価されます。