GDSII(マスクデータ形式)とは

GDSII Stream Format

最終更新:2026-09-21マスク描画装置(EB描画)ロジックプロセス

GDSII(マスクデータ形式)とは?

GDSIIとは、チップのレイアウトを層ごとの多角形と、セルの階層的な参照で記述する業界標準のバイナリデータ形式です。テープアウトで設計者からファウンドリへ渡される成果物で、OPCやフラクチャリングを経てフォトマスクの描画データになります。1970年代生まれで圧縮の仕組みがないため、後継のOASIS(SEMI P39)への移行が進んでいます。

定義・解説

GDSII(GDS2、Graphic Data System II)とは、チップのレイアウトを表現するための業界標準のデータ形式です。各層(レイヤー)の多角形・パス・階層構造(セルの参照)を座標で記述したバイナリファイルで、設計者がファウンドリにチップのレイアウトを引き渡す「テープアウト」の成果物として、またフォトマスク製作の元データとして使われます。1970年代にCalma社のレイアウトシステム用に作られた形式が、そのまま業界標準として定着しました。

GDSIIの基本要素は、層番号とデータ型の組で区別されるレイヤー、そのレイヤー上の図形(多角形のバウンダリ、幅を持つパス、テキスト)、そして図形をまとめたセル(ストラクチャ)とその参照です。同じセルを何度も参照する階層構造を持つため、同一の標準セルやSRAMビットセルを大量に並べるチップでもデータ量を抑えられます。どの層番号がどの製造層に対応するかは、PDKのレイヤーマップで定義されます。

GDSIIには古い形式ゆえの制約があります。データを圧縮する仕組みがなく、数値表現にも制限があるため、先端チップではファイルが数百GBに達することがあります。そこで2004年にSEMIが後継形式としてOASIS(SEMI P39)を標準化しました。OASISは繰り返し図形の表現や圧縮に優れ、同じデータを数分の1〜10分の1程度に小さくできるため、マスクデータの処理ではOASISが主流になりつつあります。

テープアウトで受け取ったGDSII/OASISのデータは、ファウンドリ側でマスクデータ処理(MDP)にかけられます。DRCの最終確認、ダミーパターンの挿入、光近接効果補正(OPC)による図形の補正、描画装置向けの図形分割(フラクチャリング)を経て、電子ビーム描画装置でフォトマスクに描かれます。OPC後のデータは元のレイアウトより何倍も大きくなるため、マスクデータ処理そのものが大規模な計算になっています。

よくある質問(FAQ)

GDSIIとOASISの違いは何ですか?
どちらもレイアウトを記述する形式ですが、GDSIIは1970年代に作られた古い形式で圧縮の仕組みがありません。OASISは2004年にSEMIが標準化した後継形式で、繰り返し図形の表現と圧縮に優れ、同じデータを数分の1〜10分の1程度に小さくできます。マスクデータ処理ではOASISが主流になりつつあります。
GDSIIのデータはテープアウト後どうなりますか?
ファウンドリでマスクデータ処理にかけられ、ダミーパターンの挿入、光近接効果補正(OPC)、描画装置向けの図形分割(フラクチャリング)が行われます。その後、電子ビーム描画装置でマスクブランクスにパターンが描かれ、フォトマスクになります。

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