DRC(デザインルールチェック)とは

Design Rule Check

最終更新:2026-09-21ロジックプロセスマスク製造装置

DRC(デザインルールチェック)とは?

DRC(デザインルールチェック)とは、チップのレイアウトが、配線の最小幅・最小間隔・ビアの重なり・パターン密度など、ファウンドリが定めた製造上の幾何学的な制約を満たしているかを検査する物理検証の工程です。ルールは露光やCMPなど製造工程の限界から決まり、先端ノードでは数千項目以上に達します。LVSと並ぶテープアウト前の必須検証です。

定義・解説

DRC(Design Rule Check:デザインルールチェック)とは、チップのレイアウトが、ファウンドリの定めた製造上の幾何学的な制約(デザインルール)をすべて満たしているかを検査する物理検証の工程です。配線の最小幅、隣り合う図形の最小間隔、ビアを覆う金属の重なり量、各層のパターン密度などが対象で、違反があればそのままでは製造できないか、製造できても歩留まりが下がります。LVSと並ぶテープアウト前の必須工程です。

デザインルールは、露光・エッチング・CMPなど製造工程の限界から決まります。たとえば最小間隔は露光の解像限界やエッチング後のショートの起きやすさから、密度ルールはCMPで膜厚が面内でばらつかないようにするために定められます。ルールはPDKにDRCデッキ(ルールファイル)として含まれ、微細化とともに項目数が増え、先端ノードでは数千項目以上に達します。

DRCはEDAツールがレイアウトの全図形を幾何演算で走査して行います。代表的なツールにSiemens EDA Calibre、Synopsys IC Validator、Cadence Pegasusがあり、特にCalibreはファウンドリのサインオフ基準として広く使われています。違反は座標と規則名の一覧として出力され、設計者は配置配線ツールに戻って修正します。全チップのDRCは膨大な計算量になるため、数百〜数千コアの並列処理で実行されます。

先端ノードでは、単純な寸法規則だけでは製造可否を判断できなくなっています。マルチパターニングで露光を分ける層では図形の色分け(どのマスクに割り当てるか)の整合性を、EUV世代では図形の組合せによる複雑な条件を検査します。さらに、規則上は合格でも歩留まりが落ちやすいパターンを検出する推奨ルールやパターンマッチング、リソグラフィシミュレーションで実際の転写形状を予測するLFD(リソ・フレンドリ・デザイン)チェックなど、DFM(製造容易化設計)の検査も併用されます。

よくある質問(FAQ)

DRCとLVSの違いは何ですか?
DRCはレイアウトが製造できる形になっているか(図形の幅や間隔が規則を守っているか)を見る検査で、回路の意味は問いません。LVSはレイアウトが設計した回路図と同じ回路になっているか(接続が正しいか)を見る検査です。どちらもテープアウト前に合格が必須です。
デザインルールは誰が決めるのですか?
製造を担うファウンドリが、自社プロセスの露光・エッチング・CMPなどの能力に基づいて決め、PDKの一部としてDRCデッキの形で設計者に提供します。プロセスが成熟すると改訂されることもあります。

設備の製造メーカー

Siemens EDA(旧Mentor Graphics)米国

シーメンスのEDA部門(旧Mentor Graphics)。PCBレイアウト・IC物理設計・機能検証・DFM(…

Synopsys米国

世界最大のEDA(電子設計自動化)ソフトウェア企業。論理合成・配置配線・物理検証・TCAD・IPライセンスを提…

Cadence Design Systems米国

EDAとIPの世界2大メーカーの一つ。アナログ・カスタム・デジタルIC設計、PCB・システム解析、AI駆動のJ…

TSMC(台湾積体電路製造)台湾

世界最大の半導体ファウンドリ。3nm、5nm、7nmなど最先端プロセスノードで業界をリード。Apple、NVI…

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

チップ設計フロー(RTL〜テープアウト) のトピックで関連する用語です。

比較・違いを学ぶ

DRCとLVSの違い(物理検証の2本柱)
DRCとLVSはどちらもレイアウトデータを対象とする物理検証で、同じツール(Calibre・IC Validator・Pegasusなど)で実行されることが多い
ASICとFPGAの違い(性能・コスト・用途の比較)
ASICは特定の処理に最適化した固定回路を半導体製造で作るチップで、量産時のコスト・性能・消費電力すべてで最高効率を発揮します。FPGAはプログラム可能なロジッ
ATPGとBISTの違い(テストパターンをどこで作るか)
どちらもDFT(テスト容易化設計)の枠組みに属する技術ですが、テストの実行主体が外にあるか内にあるかという点で対照的です。実際のSoCでは両者を組み合わせ、メモ
ファブレスとファウンドリの違い
半導体産業では、設計から製造までを1社で担うIDMに加えて、設計に特化するファブレスと製造に特化するファウンドリという分業モデルが広がっています。最先端のAI向
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →