平坦化とは、半導体の製造の途中でウェハの表面にできた凹凸(段差)をなくし、平らにする処理の総称です。トランジスタや配線を何層も積み重ねると、下の層のパターンの形が上の層の表面に段差として残り、層を重ねるほど凹凸が大きくなります。これを各層で平らにしておくことが、微細なデバイスを作る前提になっています。
平坦化が必要な主な理由は2つです。1つはリソグラフィの焦点深度で、表面に段差があると露光のピントが合わない場所ができ、パターンがぼやけます。もう1つは膜の付き方と加工で、段差があると上に付ける膜や配線が段差の部分で薄くなったり切れたりし、エッチングで削り残しが出ます。平坦さには、狭い範囲の段差をなくす局所的な平坦化と、チップ全体・ウェハ全体の高さをそろえる大域的な平坦化があります。
方法は時代とともに変わってきました。初期には、ホウ素とリンを含むガラス(BPSG)を加熱して流動させるリフロー、塗布型のガラス(SOG)を塗って凹部を埋める方法、厚く付けた膜を全面エッチングで削るエッチバックが使われました。1990年代以降は、研磨で大域的な平坦化ができるCMP(化学機械研磨)が主流になり、素子分離から配線まで多くの層で使われています。CMPのばらつきを抑えるため、配線のない場所にダミーのパターンを置いてパターンの密度をそろえることも行われます。