Cuリセスとは、ハイブリッドボンディングの前に、接合面の銅(Cu)の電極パッドの表面を、周りの絶縁膜の表面よりわずかに低く(数nm程度)へこませておく状態、またはそのへこみの量のことです。ハイブリッドボンディングは、銅の電極と絶縁膜が混在した2つの平らな面を向かい合わせ、銅どうしと絶縁膜どうしを同時に接合する技術で、この数nmのへこみの管理が接合の成否を左右します。
接合は2段階で進みます。まず室温で2つの面を合わせると、平らな絶縁膜どうしが分子の力でくっつきます。このとき銅がわずかにへこんでいるため、銅どうしの間には小さなすき間が残ります。次に熱処理をすると、銅は絶縁膜より熱で大きく膨らむ(熱膨張係数が大きい)ため、すき間を埋めて銅どうしが押し付けられ、原子が拡散して一体になります。銅が出っ張っていると、先に銅が当たって絶縁膜どうしが接合できず、すき間(ボイド)が残ります。
逆に、へこみが深すぎると、熱で膨らんでも銅どうしが届かず、電気的につながりません。へこみの量は、CMPの研磨の条件や、銅と絶縁膜の削れる速さの比、パッドの大きさやパターンの密度で変わるため、ウェハの全面で数nmの範囲にそろえる必要があります。原子間力顕微鏡(AFM)などで表面の高さを測って管理します。電極の間隔が細かくなるほど、許される範囲はさらに狭くなります。