最終更新 2026-10-19

固定砥粒研磨とは

Fixed Abrasive Polishing

固定砥粒研磨とは、研磨に使う硬い粒(砥粒)をパッドや砥石の中にあらかじめ固めて埋め込み、砥粒を含まない薬液や水を流して表面を削る方法です。スラリーを流す通常のCMPと違い、出っ張った部分だけを選んで削りやすく、平坦化の効率が高くディッシングも小さくなります。研磨の速さの安定と傷が課題です。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

固定砥粒研磨とは、研磨に使う硬い粒(砥粒)を、パッドや砥石の中にあらかじめ固めて埋め込んでおき、それで表面を削る研磨の方法です。通常のCMPは、砥粒を液体に分散させたスラリーを柔らかいパッドの上に流しながら研磨する遊離砥粒の方式ですが、固定砥粒では砥粒が動かないため、砥粒を含まない薬液や水だけを流して研磨します。

固定砥粒の利点は、出っ張った部分だけを選んで削りやすいことです。遊離砥粒では、柔らかいパッドがへこんだ部分にも入り込み、凹凸の高い所と低い所の両方を削ってしまいます。固定砥粒では、硬めのパッドの表面に出た砥粒が出っ張りに当たって削り、へこんだ部分は削れにくいため、平坦化の効率が高く、広いパターンの中央がへこむディッシングも小さくなります。スラリーを大量に使わないため、廃液やコストを減らせる利点もあります。

半導体では、STI(素子分離)の酸化膜のCMPで、セリアの砥粒を固定したパッドが使われた例があります。一方、パッドの表面の砥粒の出方が使ううちに変わって研磨の速さが安定しにくいこと、硬い砥粒がウェハに傷を付けやすいことが課題です。ウェハを薄く削るバックグラインドの研削砥石や、ダイヤモンドの砥粒を固定したワイヤソーも、広い意味では固定砥粒による加工です。

図解

遊離砥粒のCMPと固定砥粒を、砥粒の状態・流す液・平坦化・課題で比較した表
研削砥石やダイヤモンドワイヤソーも固定砥粒による加工の一種。

よくある質問(FAQ)

固定砥粒と遊離砥粒の違いは何ですか?
遊離砥粒は、砥粒を液体に分散させたスラリーを流しながら研磨する方式で、通常のCMPはこちらです。固定砥粒は、砥粒をパッドや砥石に固めて埋め込んでおき、砥粒を含まない液を流して研磨します。固定砥粒は平坦化の効率が高い一方、研磨の速さが変わりやすく、傷が付きやすい傾向があります。
なぜ固定砥粒はディッシングが小さいのですか?
ディッシングは、柔らかいパッドが広いパターンのへこみに入り込み、中央まで削ってしまうことで起こります。固定砥粒では硬めのパッドの表面に出た砥粒が出っ張った部分に当たって削り、へこんだ部分には砥粒が届きにくいため、へこみがさらに削られるのを抑えられます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 精密工学会「半導体プロセスのCMP技術(精密工学会誌 83巻3号)」(2026/10/19 確認)
  2. 高分子学会「半導体プロセスにおけるCMP技術と適用材料の最新動向(高分子 55巻2号)」(2026/10/19 確認)