TCADエンジニア(プロセス・デバイスシミュレーション)
この職種は何をするのか
TCAD(Technology CAD)エンジニアは、イオン注入・熱処理・酸化・エッチングといった製造工程と、できあがったトランジスタの電気的な動作を計算機上で再現する職種です。1回の試作に数か月かかる先端ノードでは、試作の前にシミュレーションで構造と条件を絞り込むことで開発期間とコストを大きく減らせます。物理モデルを実測データに合わせて校正し、予測に使える精度にするのが仕事の核心です。
仕事内容
プロセスシミュレーション
注入・拡散・酸化・成膜・エッチングの工程を順に計算し、不純物分布と断面形状を再現します。熱履歴を変えたときに接合深さがどう動くか、といった問いに答えます。
デバイスシミュレーション
計算した構造に電圧をかけ、しきい値電圧・オン電流・リーク電流を求めます。短チャネル効果やひずみによる移動度変化など、構造と特性の関係を定量化します。
モデルの校正
SIMSの不純物プロファイルやTEGの電気特性と計算結果を突き合わせ、モデルのパラメータを合わせ込みます。校正されていないシミュレーションは傾向しか示せません。
新構造の探索とDTCO
GAAやCFET、裏面電源供給のような新構造の候補を比較し、どれが性能とばらつきで有利かを試作前に評価します。結果は設計ルールやPDKの初期値にもつながります。
担当する工程・装置
必要になる知識・用語
主な企業
関連する技術比較
よくある質問
デバイスエンジニアとの違いは?
デバイスエンジニアは試作と測定も含めて素子の特性に責任を持ち、TCADエンジニアはそのうち計算による予測を専門に担います。規模の小さい組織ではデバイスエンジニアがTCADも兼ねることがよくあります。
プログラミングや数値計算の知識は必要ですか?
市販のTCADツールを使うのが一般的ですが、計算の収束やメッシュの切り方、結果の後処理でスクリプトを書く機会は多くあります。偏微分方程式の数値解法の基礎を知っていると、ツールの挙動を理解しやすくなります。
どこで働けますか?
ファウンドリ・メモリ・パワー半導体メーカーの開発部門、EDAベンダーのTCAD製品部門、研究機関が主な就職先です。パワー半導体やイメージセンサーでもTCADは広く使われています。