エアロック(Airlock)とは、清浄度や気圧の異なる2つの空間の間に設ける小部屋で、両方の扉を同時に開けないようにすることで、空気や汚染物質が一方から他方へ直接流れ込むのを防ぐ仕組みです。半導体工場では、クリーンルームと外部(一般区域)の間に設ける前室を指すことが多く、人や物が出入りするときにクリーンルームの清浄な空気を守る役割を果たします。宇宙船や潜水艦の気圧の違う空間をつなぐ部屋も同じくエアロックと呼ばれます。
クリーンルームへの人の出入りでは、前室で無塵衣(クリーンスーツ)・マスク・手袋・専用の靴を着け、エアシャワーで衣服の表面のちりを吹き飛ばしてから入室します。前室の扉は、片方が開いているともう片方が開かないインターロックになっていることが一般的です。物の搬入には、小型の物を受け渡すパスボックスや、資材の梱包を外して清掃する搬入用の前室を使います。いずれも、外部の汚れた空気がクリーンルームへ直接流れ込まないようにするための仕組みです。
エアロックが機能するためには、部屋どうしの気圧の差(差圧)の設計が重要です。半導体のクリーンルームは、清浄度の高い部屋ほど気圧を高くし、清浄な空気が汚れた側へ流れ出るようにして、外からの汚染の流入を防ぎます。前室はその中間の気圧に保たれ、扉を開けたときにも空気が清浄な側から流れ出る向きを保ちます。一方、毒性のある物質を扱う医薬品やバイオの施設では、逆に中の気圧を低くして外へ漏らさない設計がとられます。製造装置で真空と大気を切り替えるロードロックも、同じ考え方で真空側を守る仕組みです。