ガスキャビネット(シリンダキャビネット)とは

Gas Cabinet

最終更新:2026-10-03・ガス供給・流量制御・特殊ガス・プロセスガス|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

ガスキャビネット(シリンダキャビネット)とは?

ガスキャビネット(シリンダキャビネット)とは、半導体工場で使う毒性・可燃性・腐食性の特殊ガスのボンベを収納し、安全に装置へ供給するための箱型の設備です。内部を常に排気して負圧に保ち、ガス検知器が漏洩を感知すると緊急遮断弁で供給を止めます。ボンベ交換時の窒素パージなどの手順も自動で行います。

定義・解説

ガスキャビネット(シリンダキャビネット:Gas Cabinet)とは、半導体工場で使う毒性・可燃性・腐食性の特殊ガスのボンベ(シリンダー)を収納し、安全に製造装置へ供給するための専用の箱型設備です。シラン(SiH₄)、アルシン(AsH₃)、ホスフィン(PH₃)、塩素(Cl₂)、三フッ化窒素(NF₃)など、漏れれば人命や設備に関わるガスを扱うため、ボンベの周りを囲って常に排気し、万一の漏洩を閉じ込める構造になっています。

ガスキャビネットの中には、ボンベの圧力を下げる減圧弁、供給を止める遮断弁、配管の中を不活性ガスで置き換えるパージの機構、圧力計やフィルタなどがまとめて組み込まれています。ボンベを交換するときは、配管の中に残ったガスを窒素で置き換えてから外し、新しいボンベをつないだあとに漏れがないか確認してから供給を再開する、という手順を制御装置が自動で行います。キャビネットの中は排気ダクトにつながっていて常に負圧に保たれ、ガス検知器が漏洩を検知すると、緊急遮断弁が閉じて供給を止め、警報を出します。地震を感知して自動で遮断する機能も備えています。

ガスキャビネットから出たガスは、配管を通ってバルブマニホールドボックス(VMB)などで分岐され、各装置のガスボックスへ送られます。大量に使う窒素などのガスは大型のタンクや発生装置から供給されますが、特殊ガスはボンベ単位で扱うため、ガスキャビネットが供給の起点になります。設置や運用は、高圧ガス保安法などの法規や、SEMI S2をはじめとする安全ガイドラインに沿って行われます。

よくある質問(FAQ)

ガスキャビネットはなぜ必要なのですか?▾
半導体工場ではシランやアルシンなど、漏れると人命や設備に関わる毒性・可燃性のガスを使うためです。ボンベを囲って常に排気し、漏洩を検知したら自動で供給を止めることで、万一漏れてもガスを閉じ込めて安全に処理できるようにしています。
ボンベ交換のときにパージをするのはなぜですか?▾
配管の中に残った毒性や可燃性のガスが、ボンベを外したときに漏れ出したり、空気に触れて反応したりするのを防ぐためです。また、つなぎ直したときに配管に空気や水分が入ると、ガスの純度が下がり製品の不良の原因になるため、窒素などで置き換えてから交換します。

設備の製造メーカー

大陽日酸(Taiyo Nippon Sanso)日本

日本最大の産業ガスメーカー(三菱ケミカルグループ傘下)。半導体向け超高純度特殊ガス(SiH₄・HF・BF₃・C…

エア・リキード(Air Liquide)フランス

産業ガス・特殊ガスのグローバル大手メーカー。半導体製造に不可欠な高純度プロセスガス(成膜・エッチング用)とガス…

フジキン(Fujikin)日本

超高純度対応のバルブ・継手・レギュレータを手掛ける流体制御機器メーカー。半導体プロセスガス向けのダイヤフラムバ…

Air Products米国

産業ガス・特殊ガスの世界大手。半導体向けにはWF₆・NF₃・GeH₄・特殊エッチングガスなど、成膜・エッチング…

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

ファブインフラ設備(排ガス・超純水・薬液供給)・真空・ガス/薬液供給サブシステム のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Entegris米国Edwards Vacuum(Atlas Copco傘下)英国MKS Instruments米国荏原製作所日本Ultra Clean Holdings(UCT)米国樫山工業日本

比較・違いを学ぶ

ドライ真空ポンプとターボ分子ポンプの違い
半導体製造装置の排気系は、大気圧から超高真空まで10桁以上の圧力範囲をカバーしなければなりません。単一のポンプでこれを賄うことはできないため、粗引きを担うドライ…
→
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →