窒化アルミニウム(AlN)とは、電気は通さないのに熱をよく伝える化合物材料です。熱伝導率はアルミナの数倍あり、パワーモジュールの絶縁基板や、製造装置のセラミックヒーター・静電チャックに使われます。薄膜としてはバンドギャップ約6.2eVの半導体で、GaN-on-Siのバッファ層や高周波フィルタの圧電膜にも使われます。
目次7項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 設備の製造メーカー
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
窒化アルミニウム(AlN)とは、アルミニウムと窒素からなる化合物で、電気を通さない絶縁体でありながら、熱をよく伝えるという珍しい性質を持つ材料です。焼き固めたセラミックスの熱伝導率は約170〜230W/(m・K)と、一般的なアルミナ(約20〜30W/(m・K))の数倍あり、金属のアルミニウムに近い値です。
半導体の分野では、主に3つの使い方があります。1つ目はパワーモジュールの絶縁基板で、チップの熱を素早く逃がしながら電気的には絶縁します。2つ目は製造装置の部品で、高温・プラズマに強く熱が均一に広がるため、セラミックヒーターや静電チャックの本体に使われます。3つ目は薄膜としての利用で、AlNはバンドギャップ約6.2eVのワイドバンドギャップ半導体でもあり、GaN-on-Siの最初の層(バッファ層)や、深紫外LED(AlGaN)、スマートフォンの高周波フィルタ(BAWフィルタ)の圧電膜に使われます。
弱点は、水分と反応して分解しやすいことと、アルミナより高価なことです。熱膨張係数(約4.5ppm/K)がシリコンに近いため、チップとの熱ひずみが小さいという利点もあります。より割れにくさを重視する用途では、熱伝導率はやや低いものの機械強度の高い窒化ケイ素(Si3N4)が選ばれます。
図解
値は焼結体の代表的な範囲。純度や焼結助剤で変わる。よくある質問(FAQ)
窒化アルミニウムとアルミナの違いは何ですか?
どちらも絶縁性のセラミックスですが、熱伝導率は窒化アルミニウムが約170〜230W/(m・K)、アルミナが約20〜30W/(m・K)と大きく違います。発熱の大きいパワーモジュールや装置のヒーターには窒化アルミニウムが、コストを重視する一般的な用途にはアルミナが使われます。
窒化アルミニウムは半導体ですか、絶縁体ですか?
バンドギャップが約6.2eVと非常に大きいため、ふつうは絶縁体として扱います。一方で結晶の薄膜はワイドバンドギャップ半導体として深紫外LEDやGaNの下地層に使われ、圧電性を持つため高周波フィルタにも使われます。用途によって呼び方が変わる材料です。
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