PFAS規制とは、炭素とフッ素の強い結合を持つ有機フッ素化合物の総称であるPFAS(ピーファス:Per- and Polyfluoroalkyl Substances)の製造や使用を、環境と健康への影響を理由に制限する動きのことです。PFASは分解されにくく、環境や人の体に長く残ることから「永遠の化学物質」とも呼ばれます。代表的なPFOSやPFOAは、すでにストックホルム条約などで製造や使用が原則禁止されています。
欧州では、2023年に欧州化学品庁(ECHA)が、1万種類を超えるPFASを一括して規制する案を公表し、議論が続いています。米国でも環境保護庁(EPA)による報告義務や水質の基準づくりが進み、大手の化学メーカー3Mは2025年末までにPFASの製造から撤退すると発表しました。規制の対象と範囲は国や地域によって異なり、今後も変わる可能性があります。
半導体の製造は、PFASに大きく依存しています。化学増幅型レジストの光酸発生剤や表面の撥水材、薬液を運ぶ配管やタンクのフッ素樹脂(PTFE・PFA)、真空装置のフッ素ゴムのOリング、潤滑剤、一部のエッチングガスなどです。高い純度と耐薬品性を両立できる代替材料は限られるため、業界団体は必須用途の適用除外や移行の猶予を求めるとともに、材料メーカーはPFASを使わないレジストや部材の開発を進めています。