キャピラリとは、ワイヤボンディングのボールボンディングで、ワイヤを通してチップやリードに押し付け、接合を行う細い筒状の工具です。英語で「毛細管」を意味します。中心にワイヤを通す細い穴が開いた先細りの形をしたセラミックス製の部品で、ワイヤボンダーのボンディングヘッドの先端にある超音波ホーン(トランスデューサ)に取り付けて使います。
ボンディングでは、キャピラリの先から出たワイヤの先端に放電でボールを作り、キャピラリでボールをチップのパッドに押し付けながら、荷重と超音波振動を加えて接合します(ファーストボンド)。続いてワイヤを繰り出しながらループを描いてリード側へ移動し、キャピラリの先端の面でワイヤを押しつぶして接合し、そのまま引きちぎって切断します(セカンドボンド、ステッチボンド)。穴の直径、先端の外径、内側の面取り(チャンファー)の角度と直径、先端面の角度といった寸法が、ボールのつぶれた形やステッチの形を決めます。パッドの間隔が40μm以下のファインピッチ品では、隣のワイヤに当たらないよう先端を細くしたボトルネック形状のキャピラリが使われます。
材料には、硬く摩耗しにくいアルミナやジルコニアを加えたアルミナ、ルビーなどが使われます。キャピラリは消耗品で、使ううちに先端が摩耗したり、ワイヤの金属が付着したりして、ボールの大きさのばらつきや接合不良(ノンスティック)の原因になるため、一般に数十万〜百万回以上の接合ごとに交換します。金線より硬い銅線では摩耗が早くなるため、銅線用に表面を加工したキャピラリが使われます。主なメーカーには、Kulicke & Soffa(K&S)やTOTOなどがあります。