LOC(Lead On Chip:リードオンチップ)とは、リードフレームのリード(外部端子につながる金属の脚)をチップの表面の上まで延ばし、絶縁テープを介してチップに直接貼り付けるパッケージの構造です。通常のパッケージでは、チップをリードフレームの中央の台(ダイパッド)に載せ、その周囲に並べたリードとワイヤでつなぎます。LOCではダイパッドをなくし、リードがチップの上に重なるように配置します。
LOCは1990年代に、DRAMの大容量化に対応するために広く採用されました。DRAMは世代ごとにチップが大きくなる一方、TSOPやSOJといったパッケージの外形は規格で決まっているため、従来の構造ではチップの周りにリードを並べる余白が取れなくなりました。LOCではリードをチップの上に重ねるため、同じ外形により大きなチップを収められます。DRAMのボンディングパッドはチップ中央に一列に並べる設計が多く、チップの上を通ってきたリードの先端と中央のパッドを短いワイヤで結べることも利点でした。リードとチップの間にはポリイミドなどの接着テープを挟んで絶縁と固定を兼ねます。
リードがチップの表面を覆う構造では、リードとチップの間の寄生容量や、テープの吸湿・応力による信頼性に配慮が必要です。DRAMがBGAやFBGAなどの基板を使うパッケージに移行するにつれてLOCの採用は減りましたが、リードフレームを使うパッケージでチップを大きく収める手法として、チップの下にリードを通すCOL(Chip On Lead)などとともに知られています。