ASP(Average Selling Price:平均販売価格)とは、ある期間に販売した製品の売上高を、販売した数量で割った1個(または1単位)あたりの平均の価格です。半導体では、売上高の変化を「数量(ビット数や個数)が増えたのか」と「単価が上がったのか」に分けて見るために使われ、メーカーの決算発表やアナリストの分析で頻繁に登場します。
特にメモリでは、ASPの変化が業績を大きく左右します。DRAMやNANDフラッシュは製品の差が付きにくく、需要と供給のバランスで価格が大きく動くためです。メモリでは1ビットあたりの価格(ビット単価)で比べることが多く、需要が供給を上回ればASPは上がり、工場の増産で供給が余れば下がります。メモリメーカーは決算で「ビット出荷量の増減」と「ASPの増減」を四半期ごとに示すのが一般的です。
ASPは製品の構成によっても変わります。たとえばHBMのように単価の高い製品の比率が増えれば、同じDRAMでも全体のASPは上がります。メモリには、大口の顧客と取り決める契約価格と、市場で取引されるスポット価格があり、スポット価格は契約価格の先行指標として見られます。ASPの動きは、半導体の景気の波(シリコンサイクル)や設備投資の判断と深く結びついています。