最終更新 2026-10-19

ILTとは(逆リソグラフィ技術)

Inverse Lithography Technology (ILT)

ILT(逆リソグラフィ技術)とは、ウェハの上に作りたいパターンから逆算して、それを最もよく再現できるフォトマスクの形を計算で求める技術です。元の形を少しずつ直すOPCと違い、マスクの形を自由に変えて最適な解を探すため、曲線を含む複雑なマスクになり、焦点がずれても安定して写る範囲が広がります。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ILT(Inverse Lithography Technology:逆リソグラフィ技術)とは、ウェハの上に作りたいパターンの形から逆算して、そのパターンを最もよく再現できるフォトマスクの形を、計算で求める技術です。通常の考え方では、マスクの形を決めてから、ウェハにどう写るかを計算します。ILTはこれを逆向きに解き、「ウェハにこう写ってほしい」という目標から、マスクの形を数学的な最適化で導きます。

微細なパターンを光で写すと、光の回折や干渉のために、マスクの形がそのままウェハに写りません。これを補正するのがOPC(光近接効果補正)で、マスクのパターンの辺を少しずつ動かしたり、小さな補助のパターンを足したりします。OPCは決められた規則やモデルに沿って元の形を少しずつ直していく方法ですが、ILTはマスクの形を自由に変えられる前提で最適な解を探すため、曲線を含む複雑な形(カービリニア)のマスクになり、焦点や露光量がずれても安定して写る範囲(プロセスウィンドウ)を広げられます。

ILTの最適化には膨大な計算が必要で、長く一部の重要な層やホットスポットに限って使われてきました。GPUなどによる計算の高速化と、曲線のパターンでも短時間で描けるマルチビームのマスク描画装置の普及により、より広い範囲への適用が進んでいます。光源の形とマスクを同時に最適化するSMO(ソースマスク最適化)とも組み合わせて使われます。

図解

OPCとILTを、考え方・マスクの形・計算量・プロセスウィンドウで比較した表
実際にはOPCとILTを層やパターンによって使い分ける。

よくある質問(FAQ)

ILTとOPCの違いは何ですか?
OPCは、設計したパターンの辺を規則やモデルに沿って少しずつ動かし、写ったときのずれを補正する方法です。ILTは、ウェハに写したい形を目標にして、マスクの形そのものを数学的な最適化で求めます。ILTは計算量が多い代わりに、OPCより広いプロセスウィンドウが得られることが多いとされます。
なぜILTのマスクは曲線の形になるのですか?
最適化では、マスクの形を直線や直角に限らず、自由な形として扱って解を探すためです。光の回折や干渉の性質を考えると、最もよく写るマスクの形は曲線を含む複雑なものになります。こうした曲線のマスクを描くには、マルチビームのマスク描画装置が適しています。

設備の製造メーカー

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