プロセスウィンドウ(Process Window)とは、工程の条件をどの範囲で変動させても、仕上がりが規格を満たし続けられるかを表す、条件の許容範囲のことです。「窓」の広さにたとえられ、ウィンドウが広いほど、装置や材料のわずかなばらつきがあっても良品を作り続けられる、頑健な工程と言えます。半導体のあらゆる工程で使われる考え方ですが、特に露光(リソグラフィ)で重要な指標です。
露光のプロセスウィンドウは、主に焦点(フォーカス)と露光量(ドーズ)の2つの条件で表します。焦点と露光量を少しずつ変えながら露光し、パターンの寸法(CD)が規格内に収まる組み合わせの範囲を求めると、楕円や四角形の領域が得られます。焦点がずれても許される幅を焦点深度(DOF)、露光量がずれても許される割合を露光余裕度(EL)と呼び、両者の広さでウィンドウを評価します。焦点と寸法の関係を露光量ごとに描いた曲線はボサング曲線と呼ばれます。チップには形や密度の異なる多数のパターンがあるため、すべてのパターンのウィンドウが重なり合う共通の範囲が、実際に使えるプロセスウィンドウになります。
微細化が進むと、露光の解像の限界に近づくためプロセスウィンドウは狭くなります。光近接効果補正(OPC)や光源とマスクの同時最適化(SMO)、位相シフトマスクなどは、パターンを解像させると同時に、ウィンドウを広げるための技術でもあります。量産では、ウィンドウの端に近い条件でも欠陥が出ないかを、条件を振って露光したウェハを検査して確かめ(プロセスウィンドウ認定)、弱いパターン(ホットスポット)を見つけて設計や補正に反映します。エッチングやCMP、成膜でも、温度・圧力・時間などの条件について同様にウィンドウを評価します。