ジョグ運転(JOG操作)とは、装置やロボットの軸を、操作ボタンを押している間だけ低速で動かす手動操作のことです。半導体製造装置では、ウェハ搬送ロボットの受け渡し位置を教え込むティーチングや、ステージ・昇降機構の位置合わせ、保守後の動作確認などで使われます。
ジョグ運転では、ボタンを押している間だけ一定の低速で動き続け、離すと止まります。これに対して、1回押すごとに決められた距離だけ動かす操作をインチング(ステップ送り)と呼びます。ティーチングでは、まずジョグ運転で目標の近くまで動かし、最後はインチングで微小な距離ずつ送って正確な位置に合わせるという使い分けが一般的です。
搬送ロボットのティーチングでは、ロードポートのFOUP、アライナ、ロードロック、処理チャンバーなど、ウェハを受け渡す各位置で、アームの高さ・前後・旋回の座標を1点ずつ合わせて記憶させます。ジョグの動かし方には、関節ごとに動かす方式と、直交座標(前後・左右・上下)で動かす方式があり、ロボットのコントローラやティーチングペンダントで切り替えます。
ジョグ運転は人が装置の近くで行うことが多いため、安全対策が必須です。産業用ロボットの安全規格ISO 10218では、手動操作時の速度を毎秒250mm以下に制限する減速モードが定められており、操作中はイネーブルスイッチを握っている間だけ動く仕組みや、インターロックでの非常停止と組み合わせて使われます。
ティーチングの精度は、ウェハの受け渡し不良やスクラッチ、パーティクルの発生に直結します。そのため、近年はセンサーでウェハや治具の位置を自動検出するオートティーチング機能を持つ搬送ロボットも増えており、ジョグ運転による手作業の範囲を減らして、作業時間と人によるばらつきを抑えています。