ウェハカセット(Wafer Cassette)とは、複数のウェハを一定の間隔で立てたり水平に並べたりして収納する、溝(スロット)の付いた容器のことです。ウェハキャリアとも呼ばれ、一般に25枚程度のウェハを入れて、工程間の運搬や装置への投入に使います。FOUPのような密閉された容器とは異なり、ウェハがむき出しになる開放型の容器です。
ウェハカセットは、200mm以下のウェハの工場で長く使われてきた基本的な容器です。装置にはカセットごと置いて、ロボットがスロットからウェハを1枚ずつ取り出して処理し、処理が終わると元のスロットに戻します(カセット・トゥ・カセット)。複数のウェハをまとめて薬液に浸すバッチ式の洗浄装置では、薬液に耐える材料で作ったカセットにウェハを入れたまま、槽から槽へ移して処理します。材料には、用途に応じてPFA(フッ素樹脂)、ポリプロピレン、PEEKなどが使われ、薬液への耐性、汚染物質を出さないこと、静電気の帯電を防ぐことが求められます。
開放型のカセットは、ウェハが周囲の空気にさらされるため、清浄度の高いクリーンルームの中でしか使えません。200mmの工場では、カセットをSMIFポッドに入れて外気から隔てる方式が使われ、300mmでは、容器そのものを密閉したFOUPが標準となりました。出荷用には、密閉されたウェハ出荷ボックス(FOSB)が使われます。現在でも、200mm以下の工場、研究開発の現場、バッチ洗浄の工程などでウェハカセットは広く使われています。