最終更新 2026-10-19

SDCとは(サイレントデータ破損)

Silent Data Corruption (SDC)

SDC(サイレントデータ破損)とは、CPUやGPUなどのチップが、エラーを知らせることなく間違った計算の結果を出してしまう現象です。製造時のテストで見逃されたわずかな欠陥や劣化が原因で、特定の条件のときだけ現れます。大規模なデータセンターでは無視できない頻度になるため、テストの強化と稼働中の診断で対策しています。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

SDC(Silent Data Corruption:サイレントデータ破損)とは、CPUやGPUなどのチップが、エラーを知らせることなく、間違った計算の結果を出してしまう現象です。プログラムが止まったり警告が出たりしないまま、誤ったデータが保存されたり、次の計算に使われたりするため、「サイレント(静かな)」と呼ばれます。2021年ごろにGoogleやMetaが、自社のデータセンターの大量のサーバーで実際に起きていることを報告し、業界で大きく注目されるようになりました。

原因の多くは、製造時のテストで見つからなかったわずかな欠陥や、使ううちに進んだ劣化で、特定の命令、特定のデータの値、特定の電圧や温度の組み合わせのときだけ誤った結果が出るといった、非常に見つけにくい形で現れます。チップの中の論理回路そのものの不良のため、メモリのECCのような既存の誤り訂正の仕組みでは検出できません。1チップあたりの発生はまれでも、何十万台、何百万台のサーバーを動かすデータセンターでは無視できない頻度になります。

対策として、半導体メーカーは製造時のテストを強化し、実際のプログラムに近い動作で調べるシステムレベルテスト(SLT)や、テストのパターンの見直しで検出率を上げています。データセンターの運用者は、稼働中のサーバーで定期的に診断のプログラムを走らせて怪しいコアを見つけて外す仕組みを導入しています。AIの学習のように、多くのチップで長時間計算を続ける用途が広がったことで、SDCへの対策の重要性はさらに増しています。

図解

わずかな欠陥や劣化から、特定条件での誤動作、エラーの出ない誤った結果、診断による発見と切り離しまでのSDCの流れ
大規模なデータセンターでは、まれな現象でも無視できない頻度になる。

よくある質問(FAQ)

SDCとソフトエラーの違いは何ですか?
ソフトエラーは、放射線などで一時的にビットが反転する誤りで、偶然に起こり、同じ場所で繰り返し起こるとは限りません。SDCは、チップの中の欠陥や劣化によって特定の条件で繰り返し誤った結果が出る現象を指すことが多く、ECCなどで検出されずに誤ったデータが使われてしまう点が問題です。
なぜSDCは製造時のテストで見つからないのですか?
SDCを起こす欠陥は、特定の命令、データの値、電圧、温度の組み合わせのときだけ誤動作するなど、現れる条件が非常に限られているためです。テストのパターンがその条件をたまたま含まないと見逃されます。また、出荷後の劣化で新たに現れる場合もあり、出荷時のテストだけでは防ぎきれません。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. arXiv(Meta:Dixit ほか)「Silent Data Corruptions at Scale」(2026/10/19 確認)