トランジスタ密度とは、チップの1mm²あたりにトランジスタがいくつ入るかを表す指標で、百万個(Mega Transistor)を単位にしたMTr/mm²で表すのが一般的です。ノードの名前が実際の寸法を表さなくなった今、プロセスの微細さと集積度を比べる指標として、CPPやメタルピッチと並んでよく使われます。
問題は、同じプロセスでも、どの回路を数えるかで値が大きく変わることです。トランジスタをぎっしり詰めた単純な回路と、配線が込み入った回路では、密度が何倍も違います。そこで2017年にIntelのマーク・ボーアが、小さな論理回路(NAND2)と大きな回路(スキャン付きフリップフロップ)の密度を6対4の重みで平均する算出方法を提案し、プロセスを比べるときの目安として広く使われるようになりました。推定値として、5nm世代では1mm²あたり1億数千万個とされます。
ただし、実際の製品のチップの密度は、この値よりかなり低くなります。チップには、論理回路のほかに、密度の異なるSRAMやアナログ回路、入出力の回路が含まれ、配線のためのすき間も必要だからです。特にSRAMは最近の世代で縮小が鈍っており、論理回路ほど密度が上がりません。発表された密度を比べるときは、どの算出方法か、論理回路かSRAMかを確かめる必要があります。