最終更新 2026-10-19

LOCOSとは(選択酸化)

LOCOS (Local Oxidation of Silicon)

LOCOS(選択酸化)とは、窒化シリコンの膜をマスクにして、シリコンの必要な場所だけを熱で酸化して厚い酸化膜を作り、隣り合うトランジスタどうしを分離する方法です。酸化膜が窒化膜の端の下に入り込むバーズビークで面積を失うため、0.25μm世代ごろからSTIに置き換わりました。古い世代やパワー半導体では今も使われます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

LOCOS(Local Oxidation of Silicon:選択酸化)とは、シリコンのウェハの表面のうち、必要な場所だけを熱で酸化して厚い酸化膜を作り、隣り合うトランジスタどうしを電気的に分離する方法です。1970年ごろにオランダのフィリップスの研究者が発表し、その後20年以上にわたって、集積回路の素子分離の標準的な技術として使われました。

まず、ウェハの表面に薄い酸化膜(パッド酸化膜)と窒化シリコンの膜を付け、トランジスタを作る場所にだけ窒化膜を残します。窒化シリコンは酸素を通しにくいため、この状態で高温の酸素や水蒸気の中で酸化すると、窒化膜のない場所だけに厚い酸化膜が成長します。最後に窒化膜を取り除くと、トランジスタを作る場所の周りが厚い酸化膜で囲まれた構造になります。

LOCOSの弱点は、酸化膜が窒化膜の端の下にも横から入り込み、鳥のくちばしのような形(バーズビーク)になることです。このくちばしの分だけ、トランジスタを作れる場所が狭くなり、分離に必要な幅も大きくなります。微細化でこれが無視できなくなったため、0.25μm世代ごろからは、シリコンに溝を掘って酸化膜を埋めるSTI(シャロートレンチアイソレーション)に置き換わりました。現在も、比較的古い世代のプロセスや、パワー半導体、アナログのICなどで使われています。

図解

パッド酸化膜と窒化膜の形成、窒化膜のパターン化、熱酸化、窒化膜の除去までのLOCOSの工程
微細なプロセスではSTIに置き換わった。

よくある質問(FAQ)

バーズビークとは何ですか?
LOCOSで酸化するとき、酸素が窒化膜の端の下にも横から入り込み、酸化膜が窒化膜の下に向かって細くなりながら伸びる部分のことです。断面が鳥のくちばしのように見えることから、こう呼ばれます。この部分の分だけトランジスタを作れる場所が狭くなるため、微細化の妨げになりました。
LOCOSとSTIの違いは何ですか?
LOCOSは、シリコンの表面を熱で酸化して厚い酸化膜を作ります。STIは、シリコンに浅い溝を掘り、その溝を酸化膜で埋めてCMPで平らにします。STIはバーズビークがなく、分離に必要な幅を小さくできるうえ、表面が平らになるため、微細なプロセスではSTIが使われています。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 群馬大学 松田順一「CMOSプロセス・フロー概要(平成30年度集積回路設計技術・次世代集積回路工学特論資料)」(2026/10/19 確認)
  2. 立命館大学 藤野毅「集積デバイス工学(4) CMOS LSIの製造フロー」(2026/10/19 確認)