エアベントとは、半導体の封止に使うモールド金型で、樹脂を流し込むときに金型の中(キャビティ)の空気やガスを外へ逃がすための、非常に浅い溝のことです。空気抜きとも呼ばれます。樹脂は入口(ゲート)から流れ込み、空気はキャビティの奥の方に押されていくため、その押し出された空気の出口としてエアベントを設けます。
エアベントの深さは、おおむね10〜30μm程度とごく浅く作られます。空気やガスは通れても、粘りのある樹脂は通りにくい深さにすることで、空気だけを逃がして樹脂は金型の中にとどめます。エアベントが浅すぎたり詰まったりすると、空気が抜けずに樹脂の中に気泡(ボイド)が残ったり、樹脂が奥まで届かない充填不足(ショートショット)が起こったりします。逆に深すぎると、樹脂がはみ出して薄いバリ(フラッシュ)ができ、後で取り除く手間がかかります。
エアベントは、樹脂の流れの最後になる場所に配置するのが基本で、流れの解析(シミュレーション)を使って位置と数を決めます。生産を続けると、樹脂のかすや離型剤がたまって詰まるため、定期的な金型の清掃が欠かせません。金型の中を真空に引いてから樹脂を流し込む真空モールドを使うと、空気の閉じ込めをさらに減らせます。