TIM(Thermal Interface Material:熱界面材料)とは、チップと放熱板(ヒートスプレッダ)、放熱板とヒートシンクのように、熱を逃がすための2つの部品の間に挟んで、熱の通りをよくする材料です。固い部品どうしを重ねても、表面の細かい凹凸のために実際に触れ合うのはごく一部で、すき間には熱を通しにくい空気が残ります。TIMはそのすき間を埋めて、熱の通り道を作ります。
形態には、シリコーンなどの油に熱をよく伝える粒子を混ぜたグリス、柔らかいシート状のパッド、加熱すると柔らかくなって広がる相変化材料、固まるゲル、はんだやインジウムなどの金属のTIMがあります。高性能なCPUやGPUでは、チップとふた(リッド)の間に使う「TIM1」と、ふたとヒートシンクの間に使う「TIM2」を区別します。TIM1には熱をよく伝える金属系の材料が、TIM2には扱いやすいグリスやパッドが使われることが多くあります。
AI向けのGPUのように、1つのパッケージで数百Wから1kWを超える熱を出す製品が増え、TIMの性能はチップの温度を左右する重要な要素になりました。熱の伝わりやすさに加えて、薄く均一に塗れること、チップとふたの熱膨張の差で反りや伸び縮みが起きても割れたり剥がれたりしないこと、長く使っても乾いたり流れ出したりしないことが求められます。液体金属や、カーボン系の材料を使ったTIMの開発も進んでいます。