最終更新 2026-10-19

ジャンクション温度・熱抵抗とは(Tj・Rth)

Junction Temperature / Thermal Resistance

ジャンクション温度(Tj)とは、半導体チップの内部で熱が発生している部分の温度で、デバイスの寿命と破壊を決める最も重要な温度です。熱抵抗(Rth)は熱の流れにくさを℃/Wで表し、Tjは「周囲温度+損失×熱抵抗」で見積もります。パワーモジュールでは熱抵抗を下げることが性能と信頼性に直結します。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ジャンクション温度(Tj)とは、半導体チップの内部で実際に電気が流れて熱が発生している部分(pn接合などの活性領域)の温度です。チップの表面やパッケージの外から直接は測れませんが、デバイスの寿命や壊れるかどうかを決める最も重要な温度で、データシートには上限(最大ジャンクション温度)が示されます。シリコンのパワーデバイスでは150℃や175℃が一般的で、SiCではそれ以上を目指した開発も進んでいます。

熱抵抗(Rth)とは、熱の流れにくさを表す値で、1Wの熱が流れたときに何℃の温度差が生じるか(℃/W、K/W)で表します。チップからケースまで(Rth(j-c))、ケースから放熱器まで(Rth(c-s))、放熱器から周りの空気まで(Rth(s-a))のように区間ごとに分けて考え、足し合わせます。ジャンクション温度は「周囲温度+損失×熱抵抗の合計」で見積もるのが基本で、電気回路のオームの法則と同じ考え方です。

パワーモジュールでは、チップの損失が大きいため、熱抵抗を下げることが性能と信頼性に直結します。絶縁基板(DBC)に熱伝導率の高い窒化ケイ素や窒化アルミニウムを使う、はんだを銀焼結に変える、TIMを改良する、チップの両面から冷やす両面冷却を使う、といった工夫がとられます。温度の上下を繰り返すと接合部が疲労するため、ジャンクション温度の変動幅を小さく抑えることも寿命設計の重要な点です。

図解

チップの発熱部から絶縁基板、ケース、TIM、放熱器を経て周囲へ熱が流れる経路と各区間の熱抵抗
実際の熱の流れは広がりや過渡応答を含むため、詳しい設計では熱回路網モデルを使う。

よくある質問(FAQ)

ジャンクション温度はどうやって測るのですか?
チップ内部の温度は直接測れないため、温度によって変わる電気的な特性を使って間接的に求めます。たとえば、ダイオードの順方向電圧やトランジスタのしきい値電圧が温度とともに変化する性質を使い、あらかじめ測った温度との関係から内部の温度を推定します。
熱抵抗のRth(j-c)とRth(j-a)の違いは?
Rth(j-c)はチップの発熱部からパッケージのケース表面までの熱抵抗で、デバイス自体の性能を表します。Rth(j-a)は発熱部から周りの空気までの合計で、放熱器や基板の条件によって大きく変わります。パワーデバイスの比較には、条件に左右されにくいRth(j-c)がよく使われます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ローム「Application Note 熱設計 熱抵抗、熱特性パラメータについて」(2026/10/19 確認)