キャビティ(Cavity)とは、英語で「空洞・くぼみ」を意味し、半導体の分野では主に2つの意味で使われます。1つは、チップを樹脂で埋めずに、空間(空洞)の中に収めるパッケージの構造で、キャビティパッケージ(中空パッケージ)と呼ばれます。もう1つは、樹脂封止の金型の中にある、製品の形をしたくぼみで、溶けた樹脂がここに流れ込んでパッケージの形になります。
キャビティパッケージは、チップの表面に樹脂が触れると困る製品に使われます。イメージセンサーのように光を受ける製品、MEMSの加速度センサーやマイクのように可動部を持つ製品、高周波のデバイスのように樹脂の誘電率による特性の変化を避けたい製品、半導体レーザーなどの光デバイスが代表例です。セラミックスのパッケージにチップを入れてふた(リッド)で封じる方式や、樹脂の基板に壁を作ってふたをする方式があり、内部を乾燥した窒素で満たして気密に封止することもあります。
金型のキャビティは、トランスファーモールドや圧縮成形でパッケージの外形を決める部分です。トランスファーモールドでは、加熱して溶かした封止樹脂を、ポットから通路(ランナー)を通して各キャビティに押し込み、硬化させます。キャビティの寸法精度、表面の仕上げ、樹脂の流れ方の設計が、パッケージの寸法や外観、内部のボイド・ワイヤの流れ(ワイヤスイープ)に影響します。成形のたびに使われずに残った樹脂の部分はカルと呼ばれ、製品から切り離されます。