用語ウエハ製造装置ダイシング・研磨装置最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

劈開(へき開)とは

Cleavage

劈開(へきかい)とは、結晶が特定の結晶面に沿って平らに割れる性質のことで、現れた面を劈開面と呼びます。シリコンは主に{111}面と{110}面で割れ、断面観察の試料作りやダイシングで考慮されます。GaAsやInPは{110}面で原子レベルに平らに劈開するため、半導体レーザーの共振器の鏡(端面)として利用されます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

劈開(へきかい:Cleavage)とは、結晶が特定の結晶面に沿って平らに割れる性質、またはその割れ方のことです。結晶は原子の並び方によって、原子どうしの結合が弱い面や、面と面の間の結合の数が少ない面があり、力を加えるとその面に沿って割れやすくなります。こうして現れた平らな面を劈開面と呼びます。雲母が薄くはがれたり、岩塩が四角く割れたりするのも劈開の例です。

シリコンはダイヤモンド構造で、主に{111}面に沿って劈開し、{110}面でも割れます。一般的な(100)面のウェハを割ると、オリエンテーションフラットやノッチの方向に沿って、表面に直角な直線状の割れ目が入ります。この性質は、ウェハやチップを割って断面を出すことに使われ、断面のSEM観察の試料作りでは、ウェハに小さな傷を付けて劈開させ、加工した構造の断面を平らに露出させます。ダイシングでも、ステルスダイシングのように内部に改質層を作って割る方法は、結晶が割れやすい方向を考慮して条件を決めます。

化合物半導体のGaAsやInPは{110}面で非常にきれいに劈開し、原子レベルで平らな鏡のような面が得られます。半導体レーザーでは、この劈開面をそのまま光を反射させる共振器の鏡(ファセット)として使い、ウェハを短冊状に劈開してレーザーの端面を作ります。劈開面の平らさと汚れのなさがレーザーの性能と寿命を左右するため、劈開後に端面へ保護膜を付けます。逆に、意図しない劈開はウェハの割れやチップの欠けの原因になるため、搬送や研削では結晶方位と応力のかかり方に注意します。

図解

劈開(へき開)が使われる場面(シリコン・化合物半導体・断面観察)
ウェハを割るときは、ノッチやオリフラの方向が目安になる。

よくある質問(FAQ)

劈開の読み方と意味は何ですか?
「へきかい」と読み、「へき開」とも書きます。結晶が原子の結合の弱い特定の面に沿って平らに割れる性質、またはその割れ方を指します。割れて現れた平らな面を劈開面と呼びます。
半導体レーザーではなぜ劈開を使うのですか?
GaAsやInPなどは劈開で原子レベルに平らな鏡のような面が得られるため、その面をそのままレーザー光を反射させる共振器の鏡として使えるからです。研磨やエッチングで作るより平らで、量産でも簡単に端面を作れます。

設備の製造メーカー

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

シリコンウェハ製造(結晶成長・スライス・研磨)・半導体物理・結晶の基礎 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

信越化学工業日本SUMCO日本GlobalWafers(環球晶圓)台湾SiltronicドイツSK Siltron韓国Soitecフランス

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. J-STAGE「単結晶シリコンウエハのへき開面における破壊靱性値(日本機械学会 関東支部総会講演会 2011)」(2026/10/10 確認)