用語エッチング装置単結晶製造装置(CZ/FZ引上げ)最終更新 2026-10-07Excel・PDF版

ファセットとは

Facet

ファセットとは、物体の表面に現れた平らな面のことで、半導体では主に2つの意味で使われます。1つは結晶面がそのまま現れた面で、アルカリでのシリコンのエッチングでは{111}面が54.7°の斜面として現れます。もう1つはドライエッチングでマスクの角が斜めに削られた傾斜面で、寸法変化や下地の削れの原因になります。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

ファセット(Facet)とは、もともと宝石のカット面のように、物体の表面に現れた平らな面のことです。半導体では主に2つの意味で使われます。1つは結晶の特定の面(結晶面)がそのまま表面に現れた平坦な面で、結晶成長やウェットエッチングで生じます。もう1つは、ドライエッチングの際にマスクや膜の角(肩)が斜めに削られてできる傾斜面で、ファセッティングとも呼ばれます。

結晶面としてのファセットは、面によって原子の並び方と結合の強さが異なることから生まれます。シリコンをアルカリ性の薬液(KOHやTMAH)でエッチングすると、{111}面だけが極端に削れにくいため、{100}面のウェハには{111}面が約54.7°の斜面として現れ、V字溝やピラミッド形の穴ができます。MEMSはこの性質を積極的に利用しています。また、ソース・ドレインにSiGeなどを選択エピタキシャル成長させると、成長の遅い面がファセットとして現れ、形状によっては膜の高さや応力の効き方が変わります。半導体レーザーでは、結晶を劈開してできる鏡のような端面をファセットと呼び、光を反射させる共振器として使います。

エッチングでのファセットは、イオンによるスパッタの削れやすさが入射角で変わることで生じます。膜はイオンが真上から当たるより、斜め45〜60°前後から当たるほうが削れやすく、マスクの角が面取りされるように傾斜面ができ、それが進むとマスクが後退して寸法が変わったり、下の膜まで削れたりします。自己整合コンタクトのようにマスクや保護膜の厚みに余裕がない工程では特に問題になるため、選択比の高いハードマスクを使う、エッチングガスで角に保護膜を付けるなどしてファセットを抑えます。

図解

ファセットの意味(結晶面・エピ成長・エッチングによる斜面)
結晶由来の面は狙って使い、エッチング由来の面は抑える対象になる。

よくある質問(FAQ)

ファセットとはどういう意味ですか?
英語で宝石のカット面のような「平らな面」を意味します。半導体では、結晶の特定の面が表面に現れた平坦な面と、エッチングでマスクや膜の角が斜めに削られてできた傾斜面の両方をファセットと呼びます。
エッチングでファセットができるとどうなりますか?
マスクの角が削れて後退すると、転写するパターンの寸法が変わったり、マスクが薄くなった部分で下の膜まで削れたりします。自己整合コンタクトなど余裕の少ない工程では短絡の原因になるため、ハードマスクの材料やエッチング条件でファセットを抑えます。

設備の製造メーカー

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