セリアスラリーとは、酸化セリウム(CeO2、セリア)の微粒子を砥粒に使ったCMP用の研磨液です。シリカの砥粒が主に機械的に削るのに対し、セリアは酸化膜(SiO2)の表面と化学的に結合して引きはがす性質(ケミカルトゥース)を持つため、少ない砥粒の量でも酸化膜を速く削れます。
代表的な用途は、素子分離(STI)のCMPです。添加剤を工夫すると、酸化膜は速く削れるのに下の窒化膜(Si3N4)はほとんど削れない、高い選択比を出せます。窒化膜が露出したところで研磨が自然に止まる(オートストップ)ため、膜厚のばらつきやディッシングを小さく抑えられます。最近は、3D NANDの階段構造や層間絶縁膜の平坦化にも使われています。
課題は2つあります。1つは、セリアの粒子が酸化膜に強く付着して残りやすく、通常の洗浄では落ちにくいことで、CMP後の洗浄に専用の薬液や工夫が必要です。もう1つは、粗大な粒子によるスクラッチです。粒子を小さくそろえたコロイダルセリアや、砥粒の量を減らした配合が開発されています。